WhatsApp、スパム対策でメッセージ送信制限を導入
メッセージングアプリのWhatsAppは、スパム問題に対処するため、新たな対策を講じます。今後、個人ユーザーとビジネスが未知の相手に送信できる、返信のないメッセージの数に制限を設ける方針です。TechCrunchの報道によると、この措置は、アプリがグループ、コミュニティ、ビジネスメッセージング機能の追加によって複雑化し、ユーザーがこれまで以上に多くのメッセージを受け取るようになった現状に対応するためのものです。
多くのユーザーが、WhatsAppの受信トレイに50件以上の未読メッセージが溜まっている状況を経験しており、その多くがビジネスや見知らぬ相手からのものであると報告されています。特にインドのような市場では、WhatsAppが多目的なコミュニケーションツールとして広く利用されているため、この問題は深刻です。
新しい制限の仕組みと対象
この新しい制限は、ユーザーやビジネスが相手から返信を得られないまま送信したすべてのメッセージに適用されます。例えば、会議で出会った人に3通のメッセージを送っても返信がなければ、これらは制限の対象としてカウントされます。具体的な制限数については、WhatsAppが現在さまざまな数値をテストしている段階であり、まだ公表されていません。
しかし、ユーザーやビジネスが制限に近づくと、アプリはポップアップによる警告表示を行い、メッセージ送信がブロックされるのを避けるための通知を行います。WhatsAppは、この制限が平均的なユーザーには影響しないと説明しており、その目的は、メッセージを一斉送信してスパム行為を行う個人やビジネスを効果的に抑制することにあります。
これまでのスパム対策と今後の展開
WhatsAppは、過去1年間にわたり、スパム行為を抑制するためのさまざまなツールやガードレールを導入してきました。2024年7月には、ビジネスがユーザーに送信できるマーケティングメッセージの数に制限を設けるテストを開始しました。また、2024年には、ユーザーがビジネスからのマーケティングメッセージの購読を解除できるオプションの提供も検討していました。
さらに、今年初めには、ユーザーやビジネスが送信できるブロードキャストメッセージの数に制限を設ける実験を開始し、この実験はインドを含む12カ国以上で拡大されています。これらの取り組みは、WhatsAppがユーザー体験の向上と、より安全で快適なコミュニケーション環境の提供に注力していることを示しています。