ベガス・カジノへのサイバー攻撃容疑の少年、両親に引き渡される

概要と事件の背景

2023年にラスベガスのカジノを標的としたサイバー攻撃に関与した疑いで逮捕された17歳の少年ハッカーが、家族裁判所の判決により両親の保護下に置かれ釈放されました。この少年は、悪名高い脅威グループ「Scattered Spider」の一員であると疑われています。

この攻撃は2023年8月から10月の間に発生し、MGM ResortsとCaesars Entertainmentという大手カジノ企業が標的となりました。攻撃者はBlackCat/ALPHVランサムウェアを展開し、両社のネットワークに侵入。これにより、大規模な業務中断と顧客および従業員の機密データの漏洩が発生しました。

被害は甚大で、MGM Resortsは1億ドル以上の損害を被り、Caesars Entertainmentは1500万ドルの身代金を支払ったと報じられています。

裁判所の判断と釈放条件

検察側は、少年の高度な手口と巨額の金銭的利益を理由に、11月の公聴会まで拘留を継続するよう主張しました。しかし、少年の弁護士は、彼に前科がないことを強調し、「不誠実な」拘留要求であると反論し、監督下での釈放を求めました。

家族裁判所のディー・スマート・バトラー判事は弁護側の主張を支持し、以下の条件付きで少年の釈放を命じました。

  • 登録された住所で両親と同居すること
  • ネバダ州クラーク郡から離れることを禁じる
  • インターネットアクセスは教育目的に厳しく制限される
  • 電話および電子機器の使用に制限が課される

これらの条件に違反した場合、少年は直ちに保護観察官によって拘留されることになります。

容疑と今後の展開

少年が現在直面している容疑には、危害またはなりすましのための個人識別情報の取得、恐喝、恐喝共謀、および不法なコンピュータ行為が含まれます。検察側は、さらに追加の容疑を追求しており、少年を成人として裁判にかけるよう求めています。成人として裁かれた場合、より厳しい長期の懲役刑が科される可能性があります。

なお、検察側は少年が推定180万ドル相当のビットコインを依然として保有していると見ていますが、まだ発見されていません。

昨年もScattered Spiderのサイバー攻撃に関連して別の17歳の少年が逮捕され、捜査中に保釈されています。今回の事件も、未成年者による高度なサイバー犯罪が社会に与える影響の大きさを浮き彫りにしています。


元記事: https://www.bleepingcomputer.com/news/security/teen-suspected-of-vegas-casino-cyberattacks-released-to-parents/