X、休眠アカウント名の売買市場を開設へ:プレミアム会員向けに新たな収益源とセキュリティ強化

Xが休眠ハンドル名のマーケットプレイスを発表

ソーシャルメディアプラットフォームのXは、休眠状態にあるユーザー名(ハンドル)を売買できるマーケットプレイスの立ち上げを発表しました。この新サービスは、Xのプレミアム会員を対象としており、ユーザーは希望するハンドル名をリクエストまたは購入することが可能になります。Xは、このマーケットプレイスが収益源の多様化とプレミアムサブスクリプションへの関心向上に繋がると期待しています。

マーケットプレイスの仕組みと価格設定

このマーケットプレイスでは、無料と有料のオプションが提供されます。特に希少価値の高いハンドル名については、2,500ドルから7桁を超える価格が設定される可能性もあるとXは説明しています。

「優先」ハンドル(Priority Handles)

  • 対象: フルネーム、複数の単語からなるフレーズ、英数字の組み合わせ(例: @GabrielJones, @PizzaEater, @ParadoxAI)。
  • 取得方法: Premium+およびPremium Businessのサブスクライバーは無料でリクエスト可能。承認されれば、Xがハンドル名を無料で移行します。
  • 注意点: サブスクリプションをキャンセルまたはダウングレードした場合、30日間の猶予期間後に元のハンドル名がアカウントに戻されます。

「レア」ハンドル(Rare Handles)

  • 対象: 短い、一般的、または文化的に重要な名前(例: @Pizza)。
  • 取得方法: 通常のリクエストでは利用できず、公開ドロップまたは招待制の事前価格設定された直接購入を通じて提供されます。
  • 公開ドロップの選定基準: ユーザーのプラットフォームへの過去の貢献、ハンドル名の使用目的、ソーシャルネットワークでのエンゲージメントとリーチに基づきます。
  • 直接購入の価格設定: 単語の人気度、文字数、文化的重要性など、複数の要因に基づいて決定されます。
  • 所有権: 一度購入すれば、プレミアムサブスクリプションが終了してもハンドル名を保持できます。

Xの狙いとセキュリティへの配慮

Xは、このマーケットプレイスを通じて直接的な支払いによる収益を増やし、広告事業の苦戦を補うことを目指しています。また、プレミアムサブスクリプションへの関心を高める効果も期待されています。

特筆すべきは、Xがこのマーケットプレイスを導入する理由として、ボットによるスパムや悪用を防ぐことを挙げている点です。Xは、休眠ハンドル名を一斉に解放するのではなく、管理されたプロセスを通じて公平かつ安全に配布することで、これらの問題を回避できると説明しています。これは、プラットフォームの健全性とユーザー体験を保護するための重要なセキュリティ対策と位置付けられます。

今後の展望

すべてのリクエストが承認されるわけではなく、通常3営業日以内に審査されます。リクエストが承認されると、ユーザーの古いハンドル名は予約され、他の誰かに与えられることはありません。また、ユーザーは特定の休眠ハンドル名に関心がある場合、「ウォッチリスト」に登録して、利用可能になった際に通知を受け取ることができます。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/20/x-to-launch-marketplace-for-buying-inactive-handles/