サムスン「Galaxy XR」発表:Apple Vision Proへの挑戦
サムスンは本日、Apple Vision Proに対抗する新たな複合現実(MR)ヘッドセット「Galaxy XR」の発売を発表しました。価格は1,800ドルで、M5 Vision Proよりも1,700ドル安価ですが、MetaのQuest VRデバイスよりは高価な設定となっています。米国では本日よりサムスンのウェブサイトおよびSamsung Experience Storesで購入可能です。
Galaxy XRは「人間中心のデザイン」を掲げ、長時間の快適性を追求。額と後頭部に圧力を分散させるフレームデザインを採用し、顔への不快感を最小限に抑えます。取り外し可能なライトシールドは没入感を高めますが、なしでも使用可能です。ヘッドセットの重量は545グラム(額クッション含む)で、Vision Pro(750~800グラム)よりも軽量です。
高度なディスプレイとトラッキング技術
ディスプレイには、解像度3,552 x 3,840の4KマイクロOLEDスクリーンを搭載し、109度の水平視野角を提供します。総ピクセル数は2,900万、ピクセルピッチは6.3ミクロン、DCI-P3カバー率は96%です。リフレッシュレートはデフォルトで72Hzですが、60Hzと90Hzも選択可能です。
ハンドトラッキングとアイトラッキングをサポートし、QualcommのSnapdragon XR2+ Gen 2チップを搭載。高解像度パススルーカメラ2台、ワールドフェイシングトラッキングカメラ6台、認証に利用される虹彩認識付きアイトラッキングカメラ4台、3D写真・動画撮影用の6.5メガピクセルカメラを備えています。その他、5つの慣性計測ユニット(IMU)、深度センサー、フリッカーセンサーも内蔵しています。
セキュリティとプライバシーの注目点:虹彩認識とGemini AI
Galaxy XRの注目すべきセキュリティ機能の一つは、虹彩認識による認証です。これにより、ユーザーの生体情報を用いた安全なアクセスが実現されます。
さらに、GoogleのGemini AIがシステムレベルで統合されている点が大きな特徴です。Galaxy XRのカメラとマイクを通じてユーザーの周囲環境を理解し、「新しいタイプのAIコンパニオン」として機能するとサムスンは説明しています。この深いAI統合は、ユーザー体験を向上させる一方で、個人データの収集とプライバシー保護に関して重要な考慮事項を提起します。
- GoogleマップのGemini:ナビゲーションや周辺スポットのパーソナライズされた提案に利用。
- YouTubeのGemini:自然言語でコンテンツ検索や動画に関する詳細情報の取得が可能。
- パススルーモード:物理世界を見ながら、手で円を描くことで視野内のオブジェクトに関する情報を検索(ビジュアル検索)。
これらの機能は、AIがユーザーの行動や周囲の環境をリアルタイムで分析することを意味し、そのデータがどのように処理・保護されるかがセキュリティニュースの観点から注目されます。
Android XRプラットフォームと豊富な機能
Galaxy XRは、サムスンがGoogleおよびQualcommと共同開発したAndroid XRプラットフォーム上で動作します。2Dの写真や動画を自動的に空間化して奥行きと立体感を加えたり、4Kスクリーンでパーソナルシアターのようなストリーミング体験を提供したり、スポーツファンが複数の試合を同時に視聴したりすることも可能です。XRゲームでは、Geminiがリアルタイムのコーチングやヒントを提供します。
接続性に関しては、Wi-Fi 7とBluetooth 5.4をサポートし、16GBのメモリと256GBのストレージを搭載。バッテリーはVision Proと同様に分離型で、2時間の稼働時間(動画視聴で2.5時間)を提供し、充電しながらの使用も可能です。
将来の展望とアクセサリー
サムスンは、AIメガネを含む将来の製品に向けて複数のフォームファクターに取り組んでおり、Googleと共にWarby Parkerや韓国のメガネブランドGentle Monsterと提携しています。
Galaxy XRのアクセサリーとして、Galaxy XRトラベルケースとGalaxy XRコントローラーがそれぞれ250ドルで販売されます。早期購入者には、Google AI Pro、YouTube Premium、Google Play Passの12ヶ月間アクセス権が提供されます。
元記事: https://www.macrumors.com/2025/10/21/samsung-galaxy-xr-headset/