Windowsフォレンジック調査を効率化:新ツール「Forensic-Timeliner」が登場

はじめに

デジタルフォレンジックおよびインシデントレスポンス(DFIR)調査官向けに、Windowsフォレンジック調査を大幅に効率化する新しいオープンソースのコマンドラインツール「Forensic-Timeliner」が発表されました。このツールは、一般的なトリアージツールからのCSV出力を自動的に収集、フィルタリング、マージすることで、統一されたミニタイムラインを迅速に作成し、Timeline ExplorerやExcelでの分析を容易にします。

Forensic-Timelinerの主な機能

  • 統合タイムラインの作成

    Forensic-Timelinerは、EZ Tools、Kape、Axiom、Chainsaw、Hayabusa、Nirsoftなどのツールから生成されたCSVファイルをベースディレクトリからスキャンします。Amcache、イベントログ、MFT、Prefetch、JumpLists、シェルバッグ、ブラウザ履歴など、多岐にわたるアーティファクトのデータを単一のタイムラインに統合します。

  • CSVファイルの自動検出

    フォルダ名、ファイル名、または列ヘッダーに基づいてCSVファイルを自動的に検出します。デフォルトのYAML設定が一般的なツール出力を処理するため、最小限の設定で利用可能です。

  • 日付フィルタリングと重複排除

    調査官は、関連するイベントのみを含めるために開始日と終了日を指定できます。必要に応じて重複する行は自動的に削除され、タイムラインを簡潔に保ちます。

  • キーワードタグ付けとTLEセッションサポート

    YAMLファイルでキーワードを定義することで、組み込みのキーワードタグ付けをサポートします。有効にすると、ツールはタグ付けされたイベントを含むTimeline Explorer(.tle_sess)セッションを生成し、関心のある項目を強調表示します。

  • インタラクティブなCLIとプレビュー

    インタラクティブモードでは、フィルタリングやタガー設定をガイドします。Spectre.Consoleレンダリングにより、MFTフィルタ、イベントログフィルタ、キーワードグループのリッチなプレビューを処理前に確認できます。

  • 柔軟な出力形式

    タイムラインはCSV、JSON、またはJSONL形式でエクスポート可能です。CSV出力はRFC-4180に準拠しており、他のツールとの互換性も確保されています。

  • 広範なアーティファクトサポート

    詳細なYAML設定により、ファイル拡張子、パス、イベントチャネル、プロバイダーに対するカスタムフィルタリングが可能です。デフォルト設定は、レビューを効率化するために価値の高いタイムスタンプと拡張機能に焦点を当てています。

インストールとクイックスタート

  • 最新リリースのダウンロード

    Forensic-TimelinerのGitHubリリースぺージにアクセスし、最新のForensicTimeliner.exe(v2.2以降)をダウンロードします。

  • トリアージデータの準備

    トリアージ出力ディレクトリに、デフォルトまたはカスタム名(例:Hayabusa.csv, JumpLists.csv, AmCache File Entries.csv)のCSVファイルが含まれていることを確認します。

  • Forensic-Timelinerの実行

    コマンドプロンプトを開き、ForensicTimeliner.exe --Interactiveを実行します。これにより、フィルタを選択し、キーワードタガーを有効にするためのインタラクティブなセットアップが起動します。

    プロンプトなしで自動処理を行う場合は、ForensicTimeliner.exe --BaseDir "C:\triage\host01" --ALL --OutputFile "C:\timelines\host01.csv"を使用します。

  • キーワードタグ付けの有効化(オプション)

    config/keywords/keywords.yamlにキーワードグループを定義します。その後、ForensicTimeliner.exe --BaseDir "C:\triage\host01" --EnableTagger --OutputFile "C:\timelines\host01"を実行します。Timeline Explorer用の.tle_sessファイルが作成されます。

まとめ

Forensic-Timelinerは、CSVの自動検出、フィルタリング、重複排除、キーワードタグ付けを自動化することで、フォレンジックタイムライン構築プロセスを合理化します。そのインタラクティブなCLIと柔軟な出力オプションは、インシデントレスポンス中に時間と精度を節約しようとするDFIR調査官にとって不可欠なツールとなるでしょう。


元記事: https://gbhackers.com/forensic-timeliner-windows-forensics-tool/