PalantirとLumen、企業向けAIサービスで戦略的提携
データ管理企業Palantirは、通信大手Lumen Technologiesとの新たな提携を発表しました。この提携により、LumenはPalantirのAIソフトウェアを活用し、企業向けのAIサービスを構築する計画です。
両社はこの取引を「複数年にわたる数百万ドルの戦略的パートナーシップ」と称していますが、Bloombergの報道によると、Lumenは数年間でPalantirの技術に2億ドル以上を投資する見込みです。
この合意に基づき、LumenはPalantirのFoundryおよびArtificial Intelligence Platform (AIP)を、自社のエッジコンピューティング、ブロードバンドインフラ、その他のデジタルサービスと組み合わせることになります。
Lumenの変革とAIによるコスト削減
今回の提携は、Lumenが従来の通信事業者から、より現代的なテクノロジーインフラ企業へと変革を目指す中で実現しました。Lumenは既に9月にPalantirと協力し、FoundryおよびAIソフトウェアを運用、財務、技術機能に統合し、ネットワークとサービスの迅速な変革を進めていました。
Lumenの広報担当者Joe Goode氏はTechCrunchに対し、Palantirの技術活用が2025年に3億5000万ドルのコスト削減に大きく貢献したと述べています。Lumenは2027年までに10億ドルの経費削減を目標としており、計画を前倒しで進めているとのことです。
Goode氏は、「Palantirは、FoundryとAIPプラットフォームが従来のデータレイク移行よりも迅速かつ安全にLumenのデータを活用できることを実証した」と述べ、両社が協力して大規模企業の同様の課題解決を目指すことを強調しました。
Palantirの市場戦略と企業AIの未来
Palantirにとって、今回のLumenとの提携は、AI製品とサービスを販売するための数多くの取引の一つです。今年だけでも、航空、ヘルスケア、通信、契約管理、データ管理、防衛など、様々な分野で19件のパートナーシップを締結しています。
Lumen TechnologiesのCEO、Kate Johnson氏は、「AIをコネクテッドエコシステムを通じて現実世界の運用に導入することで、企業が事業運営、競争、成長の方法を再構築できるよう支援する」とコメントしました。
この戦略的提携は、企業がAIを活用してデータ管理と運用を強化し、新たなビジネス価値を創出する上で重要な一歩となるでしょう。
