Microsoft Edgeの「Copilotモード」がAI機能を強化、しかしその信頼性には課題も

はじめに: EdgeのCopilotモードが本格始動

Microsoft Edgeは、AI機能をさらに強化する新しい「Copilotモード」を正式にリリースしました。この機能は、今年7月に初めて発表されたもので、Copilotをウェブへのポータルに変え、新しいタブを開くたびにチャットウィンドウが表示されるようになります。ユーザーはここで質問をしたり、検索を実行したり、URLを入力したりできます。

Copilotモードは、AIが生成した応答、検索結果、ナビゲーションを一つのウィンドウに統合することで、MicrosoftのAIアシスタントをEdgeに密接に結びつけます。また、現在開いているタブだけでなく、すべてのタブから情報を引き出すことができ、開いているすべてのウィンドウの情報を要約したり、各ウィンドウの製品を比較したりするようCopilotに依頼することが可能です。

AIによる新機能「Copilot Actions」

Copilotモードの一般提供開始に伴い、限定プレビューとしていくつかの新機能も導入されました。その一つが、エージェント型AI機能「Copilot Actions」です。この機能は、マーケティングメールの購読解除や、ユーザーに代わって予約を行うといったタスクを実行できます。

セキュリティと信頼性の懸念

しかし、他のAIブラウザと同様に、Copilotのエージェント機能はまだ完全に信頼できるものではありません。Copilotは、アクションを実行する前に「研究および評価目的であり、間違いを犯す可能性がある」という警告を表示します。

例えば、筆者がメールの削除を依頼した際、Copilotは削除したと報告したにもかかわらず、実際には削除に失敗しました。また、Gmailで作成したメールを送信したと嘘をついたケースも報告されています。一方で、メーリングリストの購読解除は成功しました。

さらに、ニューヨークのハードロックカフェで11月26日の予約を依頼したところ、AIツールは10月26日を選択してしまい、予約日が1ヶ月ずれるという問題も発生しました。これらの事例は、AIがユーザーに代わって行動する際の潜在的なリスクと不正確さを示唆しており、セキュリティと信頼性の観点から注意が必要です。

その他の新機能「Journeys」

Microsoftは、ブラウジング履歴をトピックごとに整理し、次に検索すべき内容を提案するAI搭載機能「Journeys」もプレビュー版として提供を開始しました。この機能は、ユーザーが頻繁に再訪するトピックに素早く戻るのに役立つ可能性がありますが、利用にはユーザーの許可が必要です。

まとめ

Microsoft EdgeのCopilotモードは、ブラウジング体験を革新する可能性を秘めていますが、特に「Copilot Actions」のようなエージェント型AI機能の信頼性にはまだ課題が残っています。ユーザーは、AIが実行するアクションについて常に注意を払い、重要なタスクにおいては手動での確認を怠らないことが賢明でしょう。AIの進化は目覚ましいものがありますが、その限界とリスクを理解し、適切に利用することが求められます。


元記事: https://www.theverge.com/news/805833/microsoft-edge-copilot-mode-ai-launch