Microsoft Edgeの「Copilotモード」がブラウザタブにAI機能を拡張、プライバシーへの影響は?

Microsoft Edge「Copilotモード」の概要

Microsoftは、ブラウザ「Edge」にAI機能「Copilotモード」の新たな機能を導入しました。このモードは、各Edgeタブにチャットインターフェースをもたらし、ユーザーは質問をしたり、検索を行ったり、URLを直接入力したりすることができます。さらに、開いているすべてのタブのコンテンツを同時に分析する能力も備えており、例えば複数の製品を比較したり、複数の情報源から情報を要約したりすることが可能になります。

新機能「Copilot Actions」と「Journeys」

米国ユーザー向けには、2つの新しいプレビュー機能が展開されています。

  • Copilot Actions: この機能は、AIがユーザーに代わってタスクを実行する「エージェント機能」を追加します。具体的には、メールの購読解除や予約の作成といった作業をAIが処理できるようになります。また、音声機能も含まれており、ユーザーはブラウザに話しかけてウェブページを開いたり、記事内の特定のトピックをCopilotに検索させたりすることができます。
  • Journeys: 閲覧履歴をトピックごとに整理し、次のステップを提案する機能です。過去の閲覧セッションをテーマ別にグループ化できるため、例えば前日にテレビについて調べていた場合、Journeysはそのセッションを整理し、関連コンテンツの提案を通じて調査の再開を支援します。

セキュリティとプライバシーに関する懸念

これらの新機能は利便性を高める一方で、セキュリティとプライバシーに関する重要な考慮事項を提起します。特に、Copilotモードが「ユーザーの閲覧履歴にアクセスしてより良い応答を提供する」という点は注目に値します。記事では「ユーザーの許可がある場合に限る」と明記されていますが、AIがユーザーの行動履歴に深く関与するようになることで、データ利用の透明性や、意図しない情報漏洩のリスクについて、ユーザーはより一層注意を払う必要があります。また、Copilot Actionsのようなエージェント機能は、AIがユーザーに代わって行動を起こすため、その権限範囲と制御メカニズムが適切に設計・運用されることが極めて重要です。

現在、各社がAIを製品に組み込む競争を繰り広げており、PerplexityのComet、OperaのNeon、Diaブラウザ、OpenAIのChatGPT Atlasなど、競合するブラウザでも同様の発表が相次いでいます。この競争の中で、ユーザーのセキュリティとプライバシー保護がどのように確保されるかが、今後の重要な焦点となるでしょう。

利用方法

Copilotモードを有効にするには、最新バージョンのEdgeをダウンロードし、Microsoftのウェブサイトを通じて機能をオンにする必要があります。Copilot ActionsとJourneysのプレビュー機能は、米国を拠点とするユーザーがオプトインすることで利用可能です。


元記事: https://www.macrumors.com/2025/10/24/microsoft-edge-copilot-mode-ai-browser/