Xの広告責任者がわずか10ヶ月で退任、幹部流出が続くプラットフォームの安定性に懸念

Xの広告責任者が短期で退任

Xの広告責任者であるジョン・ニッティ氏が、就任からわずか10ヶ月で退任したことが報じられました。ニッティ氏は、収益運用および広告イノベーションのグローバル責任者としてXに加わり、7月に辞任した元CEOリンダ・ヤッカリーノ氏の後任候補と目されていました。彼の退任は、イーロン・マスク氏が率いるXの幹部層からの相次ぐ離脱に拍車をかける形となります。

相次ぐ幹部流出と背景にある緊張

ニッティ氏の退任に加え、CFOのマフムード・レザ・バンキ氏も10月に1年足らずで退任。さらに、xAIのCFOと法務顧問も夏に辞任しており、幹部の流出が続いています。これらの相次ぐ退任は、X内部の深い緊張関係を反映していると報じられています。関係者によると、幹部たちはマスク氏の突然の戦略変更や一方的な意思決定に不満を募らせていたとのことです。特に、広告チームとの協議なしに広告からのハッシュタグを禁止した事例は、その一例として挙げられています。

プラットフォームの安定性と将来への影響

マスク氏がAI開発に巨額を投じる中、広告部門へのプレッシャーは増大しています。一部のブランドはXに戻ったものの、Xがシェルやピンタレストなどのブランドを提訴した後、広告を強制されていると感じている企業も存在します。このような幹部の頻繁な交代と経営層の不安定さは、プラットフォームの運営方針の一貫性を損ない、広告主やユーザーからの信頼に影響を与える可能性があります。これは、Xの長期的なビジネスの「セキュリティ」と安定性にとって重要な懸念事項となり得ます。

ジョン・ニッティ氏の経歴

Xに入社する前、ニッティ氏はベライゾンで約9年間、アメリカン・エキスプレスでも長期間勤務していました。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/24/musks-ad-chief-at-x-departs-after-just-10-months/