DJI、ドローン技術を応用した革新的なロボット掃除機「Romo」を発表

DJI、ロボット掃除機市場に参入

ドローンやカメラで知られるDJIが、ロボット掃除機市場に参入し、新型モデル「DJI Romo」を発表しました。欧州では本日より販売が開始され、中国では今夏に先行デビューしています。DJIは、そのナビゲーション技術の専門知識を活かし、床をしっかりと掃除するロボットを開発しました。

透明デザインとモデルラインナップ

Romoシリーズのフラッグシップモデルである「Romo P」は、透明な本体デザインが特徴です。この透明デザインは、内部のメカニズムを視覚的に楽しむことができる一方で、長期間の使用における見た目の維持については懐疑的な意見もあります。

  • Romo P: 完全透明なロボットとベースステーション。価格は1,899ユーロ(約2,200ドル)。
  • Romo A: 透明なロボットと不透明な白いベースステーション。価格は1,599ユーロ(約1,700ドル)。
  • Romo S: 全てが白いデザイン。価格は1,299ユーロ(約1,500ドル)。

これら3モデルは現在、欧州のdji.comストアで購入可能です。

高度な清掃機能

Romoは、吸引と水拭きの両方に対応する複合型ロボット掃除機です。主な清掃機能は以下の通りです。

  • 強力な吸引力: 25,000Paの吸引力で、RoborockのQrevo Curvシリーズを上回ります。
  • 大容量水タンク: 164mlのオンボード水タンクを搭載し、ドックに戻る頻度を減らします。
  • デュアル回転モップパッド: カーペットを認識し、モップを自動で持ち上げる機能を備えています。
  • セルフクリーニングベースステーション: 高圧ジェットシステムでモップパッドを洗浄し、温風で乾燥させます。Romo Pのドックには、床用消臭液のスロットも追加されています。
  • 静音設計: ドックには、一般的なセルフエンプティーステーションの騒音を80%削減し、65デシベルに抑える消音システムが搭載されています。

ドローン技術を応用した革新的なナビゲーション

DJIのドローン技術が最も顕著に活かされているのは、Romoのナビゲーションシステムです。このロボットは、デュアル魚眼ビジョンセンサー広角デュアル送信ソリッドステートLiDARを組み合わせたハイブリッドビジョンシステムを採用しています。これはDJIのフラッグシップドローンから派生した技術です。

DJIによると、このシステムは「ミリメートルレベルの障害物検知技術」を実現し、機械学習と組み合わせることで、2mmの充電ケーブルやトランプカードのような薄い物体でも検出できるとのことです。これは、RoborockのStarSightナビゲーションシステムが2cm x 2cmの物体までしか識別できないのと比較しても、大幅な進歩と言えます。カメラとLiDARセンサーの組み合わせは、家庭内のコードや靴下などの一般的な障害物につまずくことなく、効果的にナビゲートすることを可能にし、その性能は非常に期待されています。

今後の展望

Romoの米国での発売日はまだ発表されていませんが、欧州モデルのテストを行い、詳細なレビューを公開する予定です。


元記事: https://www.theverge.com/tech/807461/dji-romo-robot-vacuum-europe-launch-specs-price-first-look