iPad mini 8に振動ベーススピーカー採用か?防水性向上と新技術の可能性

iPad mini 8に振動ベーススピーカー採用の可能性

次世代のiPad mini 8は、スピーカー穴をなくすことで防水性を向上させる新しいデザインを採用する可能性があります。Bloombergの報道によると、Appleは振動ベースのスピーカーシステムを検討しており、これが実現すればApple製品の中でもユニークな技術となるでしょう。

振動ベーススピーカーの仕組み

Appleが採用を検討しているのは「サウンドエキサイター」と呼ばれる技術です。これは、ガラスパネルや金属フレームといった表面を振動させることで音波を発生させます。従来のスピーカーのように振動板を介して音を出す必要がなく、エキサイターをiPad miniのシャーシやディスプレイに取り付けることで、その表面自体を振動させて音を作り出すことができます。

iPadのディスプレイは十分なサイズがあるため、複数のエキサイターを配置してステレオサウンドを実現し、画面をサブパネルに分割してそれぞれを独立した振動板として機能させることも可能です。

Appleの特許と既存技術

Appleは、このようなシステムに類似した特許をすでに取得しています。その「機械的に作動するパネル音響システム」の特許では、エンクロージャーを音響システムの一部として利用し、サブパネルとアクチュエーターがオーディオ信号を音響出力に変換する仕組みが記述されています。

  • Huawei P30 Proの「Acoustic Display Technology」: 2019年に登場し、ディスプレイ全体をスピーカーとして機能させました。通話には効果的でしたが、ステレオサウンドの欠如が課題でした。
  • LG G8 ThinQとSonyのOLED TV: LGはOLEDディスプレイを振動板として使用し、Sonyの「Acoustic Surface」技術はディスプレイ背後のアクチュエーターで画面を振動させ、没入感のあるサウンドを提供しています。
  • 「見えないスピーカー」: 乾式壁や天井の裏に取り付けられ、表面エキサイターで素材を振動させ、壁自体をスピーカーとして機能させます。

防水性向上への貢献

スピーカー穴を排除することは、水分の浸入経路を減らす上で非常に重要です。現在のiPad miniには防水等級がありませんが、スピーカー穴がなくなることで、より高い防水性能の実現が期待されます。iPhoneはIP68等級の防水性能を持ち、水深6メートルで30分間耐えることができます。

マイク穴と潜在的な課題

スピーカー穴がなくなっても、マイク穴は残る可能性が高いです。しかし、iPhoneと同様に、ガスケットや接着剤を使用することで、マイクの機能を損なうことなく防水性を確保できるでしょう。

一方で、振動ベースのオーディオシステムにはいくつかの潜在的な課題があります。特に低音の再現が難しく、Sonyのテレビのように別途サブウーファーを統合したり、デジタル信号処理で補う必要があるかもしれません。また、音の広がりが従来のステレオスピーカーに比べて狭く感じられる可能性や、iPadを握る手の接触が振動を吸収し、音を減衰させる可能性も指摘されています。

その他のiPad mini 8の噂と発売時期

防水性向上に加え、iPad mini 8にはiPad Pro以外のiPadとして初めてOLEDディスプレイ技術が搭載されるという噂もあります。また、iPhone AirやiPhone 17 Proに搭載されたA19 Proチップが採用される見込みです。

iPad mini 8は、早ければ2026年にも発売される可能性があります。


元記事: https://www.macrumors.com/2025/10/29/ipad-mini-8-vibration-speakers/