OpenAI、リアルなAI動画アプリ「Sora」を発表

OpenAIは2025年9月30日、招待制のAI動画アプリおよびソーシャルネットワーク「Sora」のローンチを発表しました。このアプリは、ユーザー自身や友人、その他の人々のリアルなAI動画を生成できる画期的なツールです。

Soraの高度な機能と技術

Soraは、Sora 2動画生成モデルを基盤としており、OpenAIによると、これまでのシステムよりも物理的に正確で、リアル、かつ制御性が向上しています。複雑な動きを生成し、物理法則をより厳密に遵守できるほか、リアル、シネマティック、アニメといったスタイルに優れています。さらに、Sora 2はリアルな音声（スピーチ、背景音、効果音）を含む動画生成をサポートしています。

このAIモデルの最大の特徴は、人物の動画を分析し、その人物の外見と声を正確に再現しながら、Soraが生成した環境に挿入できる点にあります。これにより、ユーザーは自分自身の動画を作成し、「カメオ」（他のユーザーと共有される短い動画）に組み込むことが可能になります。

セキュリティとプライバシーへの懸念

Soraの登場は、その驚異的な機能と同時に、セキュリティとプライバシーに関する新たな課題を提起しています。自分の肖像や声がAIによって極めてリアルに再現され、動画コンテンツに利用される可能性は、ディープフェイク技術の悪用や、個人の同意なしに作成された誤解を招くコンテンツのリスクを高める可能性があります。

OpenAIは、ユーザーが自分の肖像をカメオに利用することを許可するかどうかを選択できる機能や、誰が自分のカメオを使用できるかを選択できる機能、さらには公開前のドラフトを含む、自分の肖像が使用されたすべての動画を確認できる機能を提供することで、これらの懸念に対処しようとしています。しかし、これらの制御がどれほど効果的に機能するか、また、悪意のある利用を完全に防ぐことができるかは、今後の運用にかかっています。

特に、「他の人があなたの肖像を使ってカメオを作成することを許可する」という選択肢は、ユーザーが自身のデジタルアイデンティティに対するコントロールをどこまで維持できるかという点で、重要な議論を呼ぶでしょう。

利用可能性と今後の展望

Soraアプリは現在、iOS向けに米国とカナダでダウンロード可能であり、招待制で提供されています。招待されたユーザーは、SoraウェブサイトでSora 2を利用できます。Sora 2は現時点では無料で、ChatGPT ProユーザーはSora.comでSora 2 Proモデルにアクセスできます。

Soraは、友人との利用を想定したソーシャルネットワーク機能も備えており、フォローしている人や交流のある人に基づいたコンテンツを表示し、定期的にユーザーのウェルビーイングを尋ねるなど、コミュニティ形成にも注力しているようです。しかし、その強力な生成能力が、デジタル社会における信頼と安全にどのような影響を与えるか、引き続き注視が必要です。

元記事: https://www.macrumors.com/2025/09/30/openai-sora-app-ai-video/