はじめに:デジタルIDの拡大
AppleのiPhoneウォレットアプリに運転免許証や州IDを追加できる機能が、現在、米国11州で利用可能になりました。本日よりノースダコタ州でも正式にサービスが開始され、これにより、特定の空港や企業、アプリで身分証明や年齢確認を便利かつ非接触で行うことが可能になります。
ノースダコタ州は、この機能を提供する11番目の州となります。興味深いことに、Appleのウェブサイトによると、ノースダコタ州運輸局は、モバイル運転免許証の取得に5ドルの手数料を課しています。
機能の互換性と設定方法
この機能をウォレットアプリに追加するには、iOS 16.5以降を搭載したiPhone 8以降、またはwatchOS 9.5以降を搭載したApple Watch Series 4以降が必要です。設定は簡単で、ウォレットアプリを開き、右上のプラス記号をタップし、「運転免許証とIDカード」を選択して手順に従います。
利用可能な州と今後の展開
現在、以下の州でウォレットアプリへの運転免許証追加が可能です:
- アリゾナ州(2022年3月より)
- メリーランド州(2022年5月より)
- コロラド州(2022年11月より)
- ジョージア州(2023年5月より)
- オハイオ州(2024年7月より)
- ハワイ州(2024年8月より)
- カリフォルニア州(2024年9月より)
- アイオワ州(2024年10月より)
- ニューメキシコ州(2024年12月より)
- モンタナ州(2025年8月より)
- ノースダコタ州(2025年9月より)
また、プエルトリコでもこの機能が利用できます。今後、ウェストバージニア州、コネチカット州、ケンタッキー州、ミシシッピ州、オクラホマ州、ユタ州、イリノイ州でも導入される予定です。
利用場所と実用性への疑問
Appleによると、この機能は一部のTSAチェックポイントで利用可能ですが、現在、Appleは公開リストを維持していません。以前は、ボルチモア/ワシントン国際空港(BWI)やサンフランシスコ国際空港(SFO)など、多数の空港が挙げられていました。また、一部の企業や施設でも年齢確認や身分証明に利用できますが、こちらも具体的なリストは公開されていません。
この機能の実用性とセキュリティについては、ユーザーから疑問の声も上がっています。特に、「なぜ自ら警察に携帯電話を渡すのか?」というプライバシーに関する懸念や、「多くの場所で有効なIDとして受け入れられていないため、何の意味があるのか分からない」といった意見が見られます。また、「写真がなく、警察や年齢確認に使えない」という指摘もあり、その汎用性の低さが課題として浮上しています。
一部の空港では、顔認証システムを導入しており、よりシンプルで迅速な本人確認が可能になっています。これは、デジタル運転免許証の利用が普及する上での代替手段や競争相手となり得るでしょう。
まとめ
iPhoneの運転免許証機能は、デジタル化による利便性向上を目指すものですが、その普及には広範な受け入れ態勢の確立と、ユーザーのプライバシーおよびセキュリティに関する懸念の解消が不可欠です。今後の展開と、これらの課題への対応が注目されます。
元記事: https://www.macrumors.com/2025/09/30/iphone-drivers-license-feature-11-states/