トヨタ、スタートアップ投資に15億ドルを追加:AI、自動化、モビリティの未来を強化

トヨタ、スタートアップエコシステムへの大規模投資を拡大

トヨタは、モビリティ、気候変動対策、AI(人工知能)、そして産業オートメーションの分野における次世代のイノベーションを追求するため、新たに15億ドル(約2,200億円)の資金を投入することを発表しました。この大規模な投資は、スタートアップのライフサイクル全体、すなわち発明の初期段階から成長期、そして成熟企業に至るまでを支援することを目的としています。

今回の発表は、トヨタがスタートアップエコシステムへの関心を深めていることを明確に示しており、富士山の麓に位置する175エーカーの敷地に建設されたプロトタイプ都市「Woven City」で、これらのスタートアップとその革新がどのように活用されるかを示唆しています。

新たな投資戦略:Toyota Invention PartnersとWoven Capital

トヨタは、この戦略の一環として、2つの関連する発表を行いました。

  • Toyota Invention Partners Co.:約6億7,000万ドルの資本を持つ戦略的投資子会社を設立。この子会社は、日本のスタートアップに焦点を当て、従来のファンドに見られる固定された投資期間にとらわれず、長期的な戦略を採用します。
  • Woven Capital:成長段階のベンチャー部門であるWoven Capitalは、8億ドル規模の第2号ファンドを立ち上げました。

Woven Capitalのゼネラルパートナーであるジョージ・ケラーマン氏は、Toyota Invention Partners Co.を、トヨタの他の投資組織の「ブックエンド」と表現しています。Toyota Invention Partnersは「ゼロからイチ」の段階、Toyota Venturesはアーリーステージ、Woven Capitalはグロースステージを担当しますが、Toyota Invention Partnersはスタートアップの全段階にわたって支援を続け、最終的にはトヨタのバランスシートに組み込まれる可能性もあるとのことです。

Woven Cityと具体的な投資事例

Woven Cityは、スタートアップのインキュベーションを目的としたプロトタイプ都市として今年開設されました。トヨタの投資戦略は、このWoven Cityにおける未来技術の実証と密接に連携しています。

具体的な投資事例として、ロサンゼルスを拠点とする先進製造スタートアップ「Machina Labs」への戦略的投資が挙げられます。Machina Labsは、AIとロボティクスを組み合わせて金属構造物を迅速に製造する技術を有しており、トヨタモーターノースアメリカとのパイロットプロジェクトを通じて、自動車のボディパネルやアクセサリーの製造技術をテストする予定です。

イノベーションを通じた未来へのコミットメント

ケラーマン氏は、今回の2つの発表は、スタートアップ、そしてそこから生まれる技術とイノベーションに対するトヨタの強い関心を反映していると述べています。Toyota Invention Partners、Woven Capitalの第1号および第2号ファンド、そしてToyota Venturesの全ファンドを合わせると、トヨタは30億ドル以上をコミットしており、これは市場と創業者たちのニーズに、彼らのステージに応じて応えるためのものです。

Woven Capitalの第2号ファンドは、AI、自動化、気候技術、エネルギー、持続可能性などを推進するシリーズBからレイトステージの企業20〜25社を対象としています。Woven Capitalは、今回のファンド発表に伴い、トヨタの完全子会社となりました。この一連の動きは、トヨタが未来の技術革新を自社の事業の中核に取り込み、長期的な成長と競争力強化を目指す強い意志を示しています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/09/30/toyota-adds-another-1-5b-to-its-bet-on-startups-at-every-stage/


元記事: https://techcrunch.com/2025/09/30/toyota-adds-another-1-5b-to-its-bet-on-startups-at-every-stage/