仮想通貨取引アプリFomo、ベンチマーク主導で1,700万ドル調達
消費者向け仮想通貨取引アプリ「Fomo」は、ベンチマークが主導するシリーズAラウンドで1,700万ドルを調達しました。これにより、総資金調達額は1,900万ドルに達しました。ベンチマークにとって仮想通貨分野への投資は異例であり、今回の出資は注目を集めています。
Fomoの共同創業者であるポール・アーランガー氏とセ・ヨン・パーク氏は、従来のシードラウンドとは異なる独自の資金調達戦略を採用しました。彼らは、事業に価値をもたらすと考える200人のエンジェル投資家リストを作成し、そのうち140人から出資を受けることに成功しました。
異例の資金調達戦略と著名エンジェル投資家
Fomoの創業者たちは、ネットワークを駆使して温かい紹介を得るか、直接コンタクトを取り、140人ものエンジェル投資家から出資を獲得しました。これには、Polygon LabsのCEOであるマーク・ボワロン氏、Solanaの共同創業者であるラージ・ゴカル氏、元Coinbase CTOで著名なエンジェル投資家であるバラジ・スリニバサン氏といった仮想通貨業界の著名人が名を連ねています。
- Polygon Labs CEO Marc Boiron
- Solana共同創業者 Raj Gokal
- 元Coinbase CTO Balaji Srinivasan
Fomoが目指す「スーパーアプリ」のビジョン
Fomoは、あらゆるブロックチェーン上のあらゆる仮想通貨資産に、技術的な摩擦なしでアクセスできる「スーパーアプリ」を目指しています。ユーザーは、友人や尊敬するリーダーの取引をフォローできるソーシャル機能も備えています。
現在、Fomoはビットコイン、イーサリアム、ソラナといった主要コインからミームコイン、アルトコインまで、数百万種類の資産の取引を提供しており、6ヶ月以内にはさらに多くの資産に対応する予定です。将来的には、予測市場や債券などの標準的な証券を含む、あらゆる種類の資産をアプリ内で取引できるようにすることを目指しています。
Apple Pay導入が成長を加速
Fomoの5月のローンチから1ヶ月後、Apple Payのサポートが追加されたことで、同社の軌道は劇的に変化しました。この機能により、ユーザーはアプリをダウンロードしてすぐに取引を開始できるようになり、ユーザー数と収益が大幅に増加しました。
Apple Pay導入後、Fomoの週収益は約15万ドル、日次取引量は300万ドルに急増しました。アプリは取引ごとに0.50%の手数料を徴収しますが、ユーザーはブロックチェーンが課す「ガス代」を支払う必要がないため、これが大きな魅力となっています。
ベンチマークの投資判断とFomoの今後の展望
ベンチマークの早期ステージ投資家であるチェタン・プッタガンタ氏は、Fomoの急速な成長と、仮想通貨資産の発見と取引を容易にするという明確なビジョンに確信を得て、今回の投資を決定しました。ベンチマークが仮想通貨スタートアップに投資することは稀ですが、Fomoの成長可能性を高く評価し、プッタガンタ氏は取締役会の議席も獲得しました。
資金調達が完了した9月以降もFomoは成長を続け、ユーザー数は12万人以上に達しています。現在、日次取引量は2,000万ドルから4,000万ドル、日次収益は15万ドルに上ると報告されており、ベンチマークの異例の投資は成功を収める可能性が高いと見られています。
