概要:ZillowとRedfinの「提携」が独占禁止法違反の疑い
米連邦取引委員会(FTC)は、不動産情報大手Zillowが競合他社であるRedfinに対し、その事業を「解体」するために1億ドルを支払ったとして提訴しました。この「提携」は、独占禁止法に違反する「違法な合意」であるとFTCは主張しています。
「提携」の実態:競争排除の動き
Zillow(Trulia、HotPads、StreetEasyを運営)は、Redfin(Rent.com、ApartmentGuideを運営)に対し、賃貸物件広告のシンジケートのために金銭を支払いました。これにより、Zillow、Trulia、Rent.comのいずれを利用しても、実質的に同じ賃貸物件リストが表示されるようになりました。この合意の一環として、Redfinは既存の広告顧客との契約を終了し、それらをZillowに譲渡。さらに、FTCの訴状によると、Redfinは最大9年間、集合住宅の物件リストに関してZillowと競合しないことに同意しました。
FTCの主張:競争相手の排除は違法
FTCの競争局長は、この訴訟発表のプレスリリースで、「競争相手に競争をやめさせるために金銭を支払うことは、連邦独占禁止法に違反する」と述べました。FTCはさらに、この取引の一環としてRedfinが数百人の従業員を解雇し、Zillowがその中から望む従業員を選別したと主張しています。これは、ZillowがRedfinの事業の一部を実質的に買収しながら、「提携」という名目で規制当局の監視を避けようとしたものと見られています。
市場支配と潜在的な影響
Zillowは、自社のリスティングサイトに加え、Redfin、そして2024年に提携したRealtor.comを通じて、オンライン賃貸物件リストの大部分を事実上支配しています。FTCは、この市場支配が、物件を掲載したい家主にとってコストを押し上げ、賃貸物件を探す人々がZillowのネットワーク外で物件を見つけることを困難にする可能性があると指摘しています。
本件について、Zillowは本記事公開時点ではコメントを発表していません。
元記事: https://www.theverge.com/news/789851/ftc-sues-zillow-and-redfin-for-violating-antitrust-laws