Bluetti Elite 30 V2レビュー:キャンプや非常時に最適な軽量ポータブル電源

はじめに

2025年初頭に登場したBluettiのポータブル電源「Elite 30 V2」は、短期の旅行やアウトドア活動に理想的な選択肢であり、小規模な電子機器の緊急バックアップ電源としても優れた性能を発揮します。容量は288ワットアワーと、Bluettiの豊富なラインナップの中でも小型でコンパクトなモデルとして位置づけられています。今回のレビューは筆者にとって初のBluetti製品となりますが、Jackery、DJI、Ankerなど、他社の大型ポータブル電源の使用経験も踏まえて評価しました。

バッテリーとデザイン

Elite 30 V2は、LiFePO4(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーを採用しており、3,000回以上の充電サイクルと10年の長寿命を誇ります。さらに、5年間の保証が付帯しており、その信頼性の高さが伺えます。従来のポータブル電源が黒やグレーの地味なデザインが多い中、Elite 30 V2はグリーン、ブルー、パープル、ピンク、ライトグレー、ダークグレーといった複数の鮮やかなカラーバリエーションを提供し、携帯する楽しさも演出しています。本体は約4.3kg(9.5ポンド)と軽量で、サイズは幅24.9cm、奥行き17.8cm、高さ16.8cm(9.8インチ x 7インチ x 6.6インチ)とコンパクト。持ち運びやすいハンドルと、入力・出力、充電レベル、残りの稼働時間を表示するLCDディスプレイを搭載しています。

豊富な接続性と急速充電

Elite 30 V2は、このサイズのポータブル電源としては非常に多くのポートを備え、複数のデバイスを同時に充電可能です。主なポート構成は以下の通りです。

  • USB-Cポート:140W x 1、100W x 1 (両方同時にフルパワーで使用可能)
  • USB-Aポート:15W x 2
  • ACコンセント:2口
  • 充電ポート:AC入力、DC入力 (シガーソケット、ソーラーパネル経由での充電にも対応)
  • その他:シガーソケット、アース端子、12V/8Aバレルポート x 2

充電速度は最大600Wに対応し、一時的に1500Wの「Power Lifting」モードも利用できます。充電を開始するには、適切なポートの電源ボタンをオンにする必要がありますが、これは不要な電力消費を防ぐための設計です。

実用性と利用シーン

数週間にわたる実際の使用テストでは、様々なAppleデバイスの充電を行いました。例えば、iPhone 17 Pro Maxを0%から80%まで充電しても、本機のバッテリー残量は10%しか減少しません。同様に、iPhoneを9~10回充電することが可能です。MacBook Airであれば3.5回のフル充電が可能でした。さらに、MacBook Pro、Studio Display、2つの照明からなるデスクセットアップ全体を、半日(12:51から約17:00まで、消費電力60W~110W)稼働させることができました。本体のフル充電には約1時間20分かかりますが、85%充電までは約50分で完了します。

しかし、Elite 30 V2は消費電力の大きい電気ヒーターなどには不向きです。一方で、パソコン、照明、スピーカー、ゲーム機といった小型電子機器には最適です。ミニ冷蔵庫を数時間稼働させたり、ヘアドライヤーやヘアアイロンを短時間使用したり、低電力の電気ケトルやコーヒーメーカーを動かすこともできます。筆者の場合、コンピュータ全体とWi-Fiを丸一日稼働させることができました。

非常時への備え

本機は、非常時のバックアップ電源としても非常に有効です。停電時には、接続されたデバイスへの給電が瞬時に(Bluettiによると10msの応答時間で)Elite 30 V2に切り替わるUPS(無停電電源装置)機能も備えています。最大980Wのパススルー充電にも対応しています。

静音性とスマート機能

小型モデルであるElite 30 V2は、充電中やiPhone、Macなどの低負荷機器への給電中はほぼ無音で動作します。高負荷時には内部ファンが作動しますが、その音量は不快なレベルではありません。専用のBluettiアプリをBluetoothまたはWi-Fi経由で接続することで、リモートで消費電力やバッテリー残量、エネルギー使用統計などを監視できます。また、AC/DC電源のオン/オフ切り替えや、電源モードの選択、1500W Power Lifting機能の有効化もアプリから行えます。ただし、ファームウェアのアップグレード機能には現時点で一部不具合が確認されています。

総評と購入情報

Bluetti Elite 30 V2は、複数のスマートフォン、タブレット、ポータブルゲーム機、PCなどを充電するのに十分な電力を供給しつつ、持ち運びやすい軽量さを兼ね備えた優れたポータブル電源です。特に日帰りや週末旅行など、携帯性が重視されるアクティブな利用シーンにおいて、最高の選択肢の一つと言えるでしょう。筆者のように小柄な体格の者でも、重いポータブル電源を苦労なく持ち運べる点は大きな魅力です。 MSRPは304ドルですが、現在Bluettiのウェブサイトでは209ドルで販売されており、非常にお求めやすい価格となっています。医療機器や高出力家電など、より多くの電力を必要とする用途には大型モデルが適していますが、スマートフォンやルーターなど、小型デバイスのバックアップとしては十分に活躍します。


元記事: https://www.macrumors.com/review/bluetti-elite-30-v2-power-station/