Pebble創業者が仕掛ける新たな挑戦:75ドルのAIスマートリング「Index 01」発表

Pebble創業者が仕掛ける新たな挑戦:75ドルのAIスマートリング「Index 01」発表

かつてスマートウォッチ市場に旋風を巻き起こしたPebbleの創業者エリック・ミギコフスキー氏が、新たなスマートウェアラブルデバイス「Index 01」を発表しました。このAIスマートリングは、わずか75ドル(先行予約価格)という価格で提供され、ボタンを押すだけで短いメモやリマインダーを記録できる、シンプルながらも実用的な機能が特徴です。

「Index 01」の主な機能と特徴

  • 手軽なメモ録音: リングのサイドボタンを長押しすることで、最大5分間の音声を録音できます。録音された音声はPebbleモバイルアプリを介してスマートフォンに同期され、テキスト化されます。
  • ローカルAI処理: AI機能(音声認識など)はスマートフォンのPebbleアプリでローカルに実行されるため、常にクラウドに接続する必要がなく、プライバシーが保護されます。
  • プライバシーと安心設計: ミギコフスキー氏は、ユーザーの思考が全てスマートフォンに保存され、クラウドには送信されないことを強調しています。また、サブスクリプション料金は一切不要です。
  • 高い耐久性: ステンレス製で、水深1メートルまでの防水性能を備えています(シャワーや手洗いには対応しますが、水泳には適しません)。
  • 長寿命バッテリー: バッテリーは「何年も」持続するとされており、平均的な使用(1日10〜20回、3〜6秒の録音)であれば約2年間の使用が見込まれます。バッテリーが切れた際は、会社に送り返してリサイクル可能です。
  • 多言語対応とオフライン機能: 100以上の言語に対応し、スマートフォンのBluetooth圏外でも一時的に音声をリング内に保存できるオンデバイスメモリを搭載しています。
  • オープンソースと拡張性: リングのソフトウェアはオープンソースであり、コミュニティによるハッキングやカスタマイズが可能です。ボタンには単押しや二度押しで音楽再生/一時停止、スマートフォンのカメラシャッター操作など、様々な機能を割り当てられます。

プライバシーと持続可能性を重視した設計

Index 01は、常にオンで環境音を聞き続けるAIデバイスとは一線を画しています。ミギコフスキー氏は、「私はAIアシスタントのようなものを作ろうとしているのではない。一つの主要な問題を非常にうまく解決するものを構築している」と述べ、自身の脳の外部記憶装置としての役割を強調しています。

本製品はフィットネストラッカーや睡眠モニターではなく、心拍数や健康状態を記録する機能は持っていません。あくまで「メモを取る」という単一の機能に特化し、ユーザーの「ひらめきや記憶」を逃さないためのツールとして設計されています。

競合との差別化と市場の展望

音声メモ機能を持つウェアラブルデバイス市場は成長しており、Sandbarの「Stream Ring」(249ドル、月額サブスクリプションあり)などが競合として挙げられます。しかし、Index 01は75ドルという手頃な価格サブスクリプション不要のビジネスモデルで差別化を図っています。

創業者の新たな事業哲学:Pebbleの経験を活かして

PebbleのFitbitへの売却という経験を経て、ミギコフスキー氏は新たな会社Core Devicesで異なるアプローチを取っています。彼は「ベンチャーキャピタルに支えられたスタートアップを築くのに適した時と場所があるが、私は別の道を試している。最初から収益性を重視する道だ」と語っています。現在のチームはわずか5名で、自己資金で運営されており、持続可能な事業運営を目指しています。Core Devicesはすでに「Pebble 2 Duo」スマートウォッチを成功させ、現在「Pebble Time 2」の出荷準備を進めています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/09/pebbles-founder-introduces-a-75-ai-smart-ring-for-recording-brief-notes-with-a-press-of-a-button/