Google、Fervo Energyの巨額調達に参加 – データセンターのエネルギー需要を支える強化地熱発電に期待

Googleが地熱発電スタートアップFervo Energyに投資

Googleは、強化地熱発電を手掛けるスタートアップ、Fervo Energyが実施した4億6200万ドル(約650億円)の資金調達ラウンドに参加しました。この資金は、Fervo Energyが初の大規模発電所を完成させ、さらに複数の発電所の開発に着手するために利用されます。これは、電力需要が逼迫するグリッドに対し、Fervoがより多くの電力を供給するための重要な一歩となります。

データセンター需要とFervo Energyのプロジェクト

Fervo Energyは、ユタ州で建設中の500メガワット規模の「Cape Station」発電所の開発を継続しており、2026年の第一段階稼働を目指しています。同社のシニアバイスプレジデントであるサラ・ジュエット氏によると、同発電所は年内には「機械的に完成する」見込みです。GoogleはすでにFervo Energyと提携し、データセンターへの電力供給を受けており、今回の投資はその関係をさらに強化するものと考えられます。

強化地熱発電の台頭と技術的優位性

強化地熱発電は長年開発が進められてきましたが、近年では特にデータセンターの急速な電力需要増加を背景に注目度が飛躍的に高まっています。Rhodium Groupの分析では、2030年までに強化地熱発電が新規データセンター電力需要の最大3分の2を現在の運用コスト以下で供給できる可能性が示されています。Fervo Energyは、石油・ガス業界から転身した多くの従業員が持つ知見を活用し、フラッキングや指向性掘削といった技術を地熱発電に応用しています。

掘削効率の向上とコスト削減

Fervo Energyは、井戸の掘削時間の短縮に注力しており、初期の1ヶ月程度かかっていた掘削時間を、現在では平均「10日間台半ば」にまで短縮しています。ジュエット氏によると、「井戸のコストの約半分は掘削時間にある」ため、掘削時間の短縮はコスト削減に直結し、発電所の完成と収益化を早める重要な要素となります。これは同社の技術力と事業効率の高さを示すものです。

将来の展望と市場拡大戦略

Fervo Energyは現在、熱い岩盤が地表近くに存在する米国西部での事業展開に重点を置いています。ユタ州のCape Stationでは、約2,590メートル(8,500フィート)の深さまで掘削し、232℃(450°F)の岩石を利用しています。同社はまず米国西部で技術的経験を十分に積んだ後、規制の違いが主な課題となる可能性のある海外市場を含む他地域への拡大を計画しています。データセンターからの「桁外れの需要」を受け、Fervo Energyの今後の動向が注目されます。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/10/google-invests-in-fervos-462m-round-to-unlock-even-more-geothermal-energy/