Google、AIエージェント向けにマネージドMCPサーバーを発表 – 既存のツール連携を容易に

はじめに

AIエージェントが旅行の計画、ビジネス上の質問への回答、あらゆる種類の問題解決策として注目される中、チャットインターフェース外のツールやデータと連携させることには課題がありました。開発者は様々なコネクタを繋ぎ合わせ、それらを維持する必要がありましたが、これは脆く、拡張が困難であり、ガバナンス上の問題も生じていました。この課題に対し、GoogleはAIエージェントが同社のGoogleおよびCloudサービスに簡単に接続できるよう、完全にマネージドされたリモートMCP(Model Context Protocol)サーバーの提供を開始しました。

MCPサーバーの目的とメリット

Googleの製品管理ディレクターであるステレン・ジャンニーニ氏は、「Googleをエージェント対応に設計している」と述べました。この取り組みは、Googleの最新モデルであるGemini 3の発表に続き、より強力な推論能力と、現実世界のツールやデータへの信頼性の高い接続を組み合わせることを目指しています。開発者は、これまで数週間かかっていたコネクタの設定に代わり、マネージドエンドポイントへのURLを貼り付けるだけで連携が可能になります。

提供されるサービスと利用例

ローンチ時には、Google Maps、BigQuery、Compute Engine、Kubernetes Engine向けのMCPサーバーが提供されます。これにより、例えば分析アシスタントがBigQueryを直接クエリしたり、運用エージェントがインフラストラクチャサービスと対話したりすることが可能になります。ジャンニーニ氏は、Mapsを例に挙げ、MCPがない場合はモデルの組み込み知識に依存するが、Google Maps MCPサーバーを使用することで、エージェントは「実際の、最新の場所情報に基づいて接地される」と説明しています。

MCP(Model Context Protocol)とは

MCP、すなわちModel Context Protocolは、約1年前にAnthropicによってオープンソース標準として開発され、AIシステムをデータとツールに接続するために広く採用されています。Anthropicは最近、このMCPを、AIエージェントインフラストラクチャのオープンソース化と標準化を目的とした新しいLinux Foundation基金に寄贈しました。ジャンニーニ氏によると、MCPが標準であるため、Googleがサーバーを提供すれば、Gemini CLIやAI Studio、さらにはAnthropicのClaudeやOpenAIのChatGPTといったあらゆるクライアントと接続できる点が強みです。

エンタープライズにおける活用とセキュリティ

この取り組みは、単にエージェントをGoogleサービスに接続するだけにとどまりません。エンタープライズの大きな活用ポイントとして、多くの企業がAPIキーの発行やクォータ設定、トラフィック監視に既に利用しているGoogleのAPI管理製品、Apigeeとの連携が挙げられます。Apigeeは標準APIをMCPサーバーに「変換」し、既存のセキュリティおよびガバナンス制御をAIエージェントにも適用できるようになります。

また、Googleの新しいMCPサーバーは、Google Cloud IAMによる権限メカニズムと、プロンプトインジェクションやデータ漏洩といった高度なエージェント脅威から防御するGoogle Cloud Model Armorによって保護されています。管理者は監査ログを利用して、さらなる可視性を確保できます。

今後の展望

Googleは今後数ヶ月以内に、ストレージ、データベース、ロギングとモニタリング、セキュリティなどの分野でMCPサポートを拡大する予定です。ジャンニーニ氏は、「開発者が行う必要のない配管工事は、我々が行った」と締めくくりました。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/10/google-is-going-all-in-on-mcp-servers-agent-ready-by-design/