トランプ氏の6G発言が波紋
元米国大統領ドナルド・トランプ氏が、次世代通信技術「6G」について語った発言が、その技術的理解の欠如を露呈し、各所で物議を醸しています。
2025年12月10日、テレビの生放送中にクアルコムのクリスティアーノ・アモンCEOが同席する中、トランプ氏は「6Gは何をするのか?誰かの肌をもう少し深く見るのか?」と発言。これは、6Gが携帯電話ネットワークの進化ではなく、ビデオの画質に関連するものだと誤解していることを示唆しています。
6Gとは何か?
トランプ氏の発言とは異なり、「6G」は次世代の携帯電話ネットワークを指します。その目的は、より高速で信頼性の高いワイヤレスインターネットをより多くの人々に提供することであり、個人の肌の質感を強調するようなビデオ解像度とは根本的に異なります(それは「8K」などの技術の領域です)。
トランプ氏の発言の全文は以下の通りです。
- 「今、我々は6Gに突入している。全く。5G――私は5Gのリーダーだった、それをやり遂げた、そして今彼らは6になっている。それは何をするんだ、誰かの肌をもう少し深く見るのか?それがどれほど完璧かを見てみろ。私は昔のカメラが好きだった。何か良い特徴があった。今はすべてを映し出す、マイケル、君は良い体型だ、そんなことはないだろうが…しかし言っておく…だから6が来ているんだ、うん?来ている。終わることはあるのか?そして何が起こる?7になるだろう?6が古くなる前に、7になるだろう。」
過去の発言と5Gへの関与
トランプ氏は2019年にも6Gについて「できるだけ早く」導入すべきだと示唆していましたが、今回の発言からは、その具体的な意味を理解していなかった可能性が浮上しています。
また、トランプ氏は自身が「5Gのリーダーだった」と主張していますが、彼の主要な貢献は以下の通りだと指摘されています。
- T-MobileとSprintの合併を承認したが、その約束は守られなかった。
- ネット中立性を廃止し、携帯電話キャリアに自由な活動を許したFCC委員を任命した。
- 携帯電話キャリアにさらなる電波帯域を提供した。
- 米国の5Gネットワークに一部の中国製通信機器が導入されるのを阻止した。
最近では、消費者保護のために明示的に設計されたブロードバンドの「栄養表示」をFCCが撤廃しようとしていることも批判されています。
技術理解の重要性
今回のトランプ氏の6Gに関する発言は、公職にある者が新興技術について正確な理解を持つことの重要性を改めて浮き彫りにしました。技術の進歩が社会に与える影響を鑑みると、リーダーシップには正確な情報に基づいた意思決定が不可欠であると言えるでしょう。
元記事: https://www.theverge.com/policy/842087/trump-does-not-understand-6g-5g
