ルンバのメーカーiRobotが破産申請
ロボット掃除機「ルンバ」で知られるiRobotが、米国時間2025年12月15日に連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請しました。同社は今年初めから、事業継続が困難になる可能性について警告を発していました。この申請に伴い、iRobotは長年の契約製造パートナーである中国を拠点とするPicea Roboticsに買収される計画も発表しています。
iRobotは声明で、買収後も「アプリ機能、顧客プログラム、グローバルパートナー、サプライチェーン関係、継続的な製品サポートへの影響は予期されない」としており、ユーザーはこれまで通りルンバを使用できる見込みです。
競争激化とアマゾン買収破談の波紋
マサチューセッツ州に本社を置くiRobotは、長年にわたり中国メーカーとの激しい競争に直面してきました。1990年に設立され、2002年に初代ルンバを発売して以来、家庭用ロボットのパイオニアとして確固たる地位を築きましたが、EcovacsやRoborockといった競合他社の台頭により、その市場シェアは大きく低下していました。
かつてはアマゾンによる買収話が浮上し、会社の業績回復が期待されましたが、独占禁止法の規制当局の監視によりこの買収は破談となりました。それ以降、iRobotは製品ラインの刷新や価格引き下げを行い、Picea Roboticsと協力して新モデルの開発を進めてきましたが、売上高の減少は止まりませんでした。ロイター通信によると、特にベトナムでの製造に関わる46%という高関税が同社に大きな打撃を与えたと報じられています。
今後の展望:事業継続と財務強化
iRobotの最高経営責任者(CEO)であるゲイリー・コーエン氏は、「今回の発表は、iRobotの長期的な未来を確実にする上で極めて重要な節目となる」と述べています。さらに、「この取引は当社の財務状況を強化し、消費者、顧客、パートナーへの継続性を確保するのに役立つでしょう」とコメントし、事業の再建と成長への意欲を示しました。
元記事: https://www.theverge.com/news/844460/irobot-files-for-bankruptcy
