AIペンテスター「Shannon」がコード脆弱性を自律的に特定・悪用

AIペンテスター「Shannon」がコード脆弱性を自律的に特定・悪用

Keygraph社は、ウェブアプリケーションの実際の脆弱性を発見し、悪用することを目的とした完全自律型AIペネトレーションテスター「Shannon」を発表しました。従来の脆弱性スキャナーが誤検知を生み出すのとは異なり、Shannonは攻撃者よりも早く実証可能な概念実証(PoC)エクスプロイトを提供することで、セキュリティの重大なギャップを埋めます。

従来のセキュリティテストが抱える課題

現代の開発ワークフローは、深刻なセキュリティ上の矛盾を生み出しています。Claude CodeやCursorのようなツールを使用するチームは年間を通じて継続的にコードを出荷していますが、従来のペネトレーションテストは年に一度しか行われません。これにより、365日間の脆弱性露出期間が生じてしまいます。Shannonは、この大規模なセキュリティ上の盲点を、必要に応じて利用できるオンデマンドのホワイトボックスペンテスターとして機能することで解消します。

Shannonは、理論上の脆弱性を特定するだけでなく、インジェクション攻撃、認証バイパス、クロスサイトスクリプティング(XSS)、サーバーサイドリクエストフォージェリ(SSRF)などの実際の攻撃を実行し、各発見が真に悪用可能であることを確認します。

Shannonによる革新的なアプローチ

Shannonが解決する問題は明確です。開発速度がセキュリティ検証をはるかに上回っていることです。チームは毎日何十ものビルドをデプロイできますが、ペネトレーションテストは良くても四半期または年一回しか行われません。Shannonは、ソースコードへのアクセスと単一のコマンドだけで包括的なセキュリティ分析を開始できるペネトレーションテストプロセスを自動化することで、このギャップを解消します。

実証された高い有効性

Shannonの有効性は、業界標準の脆弱なアプリケーションに対して検証されています。OWASP Juice Shopでのテストでは、単一の自動実行で20以上の重大な脆弱性を発見しました。これには、完全な認証バイパス、インジェクション攻撃によるデータベース抽出、登録バイパスによる特権昇格、内部ネットワーク偵察を可能にするサーバーサイドリクエストフォージェリなどが含まれます。Checkmarx Capital APIに対しては、15の重大な脆弱性を特定し、アプリケーション全体の侵害につながりました。

Shannonの主要機能

  • 自律運用:単一のコマンドでペンテストを開始。2FA/TOTPログインから最終レポート作成まで、AIがすべてを処理。
  • ペンテスターグレードのレポート:再現可能な概念実証(PoC)と誤検知ゼロの、実証済みエクスプロイトを提供。
  • 主要OWASPカバレッジ:インジェクション、XSS、SSRF、壊れた認証/認可の脆弱性を特定・検証。
  • コード認識型テスト:ソースコードを分析して攻撃戦略を導き出し、ライブブラウザおよびCLIベースのエクスプロイトを実行。
  • 統合されたセキュリティツール:Nmap、Subfinder、WhatWeb、Schemathesisを活用し、ターゲット環境を詳細に分析。
  • 並列処理:すべての脆弱性タイプに対して並行して分析と悪用を行い、発見を加速。
  • 実際のエクスプロイト検証:実際の攻撃を実行して脆弱性を確認し、理論上の誤検知を排除。

多段階アーキテクチャと技術的背景

Shannonは、AnthropicのClaude Agent SDKを推論エンジンとして活用し、洗練されたマルチエージェントアーキテクチャ内で動作します。ホワイトボックスのソースコード分析とブラックボックスの動的悪用を組み合わせ、Nmap、Subfinder、WhatWebなどのツールを統合して詳細な環境分析を行います。このシステムは透過的に運用され、「エクスプロイトがなければレポートなし」という厳格なポリシーを適用し、未検証の発見を排除します。

セキュリティテストの新たな時代へ

Shannonは、アプリケーションセキュリティテストにおけるパラダイムシフトを表しています。静的分析から能動的な悪用検証へと、自動化された脆弱性発見を変革します。急速な開発サイクルと稀なペネトレーションテストとの間のギャップを埋めることで、Shannonは組織が真の自信を持ってコードを出荷できるようにします。


元記事: https://gbhackers.com/shannon-ai-pentesting-tool/