2025年、Apple TVで必見の傑作ショー:SF作品が席巻

はじめに:Apple TVの進化と2025年の展望

2025年は、Appleのストリーミングサービスにとって転換の年となりました。名称から「プラス」を外し、シンプルに「Apple TV」となった同サービスは、そのプログラミングにおいて一貫性を保ちつつ、特にSFジャンルにおいて確固たる地位を築き上げました。新たなシリーズ『Pluribus』の登場に加え、『Severance』や『Foundation』といったファンに愛される作品が帰還し、SFファンにとってはまさに垂涎の年となりました。もしあなたがApple TVを初めて利用する方、あるいは新鮮な視聴体験を求めているのであれば、今年(2025年)の主要な傑作群は必見です。

SFジャンルの新境地を開く注目作品

Apple TVは、SFというジャンルにおいて、その独創性と質の高さで他を圧倒しています。

  • Pluribus(プルーリバス)
    『ブレイキング・バッド』のクリエイター、ヴィンス・ギリガンが手掛ける『Pluribus』は、『トワイライト・ゾーン』の一エピソードを丸ごとTVシリーズに引き伸ばしたような作品です。未知のウイルスによって人類の大部分がネガティブな感情を失い、相互接続された集合意識と化す世界が舞台。その中で「生存者」の一人であるキャロル(リア・シーホーン)は、成功したファンタジー作家でありながら、常に不満を抱えています。集合意識がキャロルを幸福にしたいと願う一方、彼女は世界を元に戻したいと葛藤する様が描かれ、各エピソードで愉快で(あるいは不穏な)謎を提示します。
  • Severance(セヴェランス)
    待望のシーズン2が、長い沈黙を経てついに帰ってきました。勤勉な社員の記憶を分離することで私生活と職場生活を完全に切り離す「セヴェランス」手術を受けた、ルモン・インダストリーズの従業員たちの物語は、さらに深淵へと誘います。シーズン2は、物語をじっくりと展開させながらも、最終的にはすべての糸を見事にまとめ上げ、次シーズンへの多くの疑問を残しました。
  • Foundation(ファウンデーション)
    アイザック・アシモフの壮大な宇宙叙事詩を映像化した本作は、シーズン3でさらにそのスケールを拡大しました。今回は、銀河の支配を目論むテレパシー能力を持つウォーロード「ミュール」という新たな脅威が登場。遺伝子王朝が支配する現帝国と、タイトルのファウンデーションとの間で、事態はこれまで以上に複雑な様相を呈します。
  • Murderbot(マーダーボット)
    AppleのSF作品の多くは壮大なものが多い中、『Murderbot』はより謙虚ながらも魅力的な作品です。マーサ・ウェルズの小説『Murderbot Diaries』を原作とする本作は、自らを解放したものの、自己の感情が露見すれば即座に廃棄される運命にあるタイトル通りのロボット(アレクサンダー・スカルスガルド)の物語。実存的なドラマに満ちたユーモラスな冒険が繰り広げられ、人間から真の姿を隠しながら、極度の不安と闘う姿は、非常に共感を呼びます。

多様なジャンルで輝くApple TVオリジナル

SFだけでなく、Apple TVは幅広いジャンルで視聴者を楽しませています。

  • The Studio(ザ・スタジオ)
    ハリウッドを痛烈に風刺した本作は、有名セレブのカメオ出演が満載で、スタジオシステムの奇妙で混乱した本質を探求します。最初のエピソードでクールエイドの映画化が登場するあたりから、そのペースは決して緩むことなく、時にストレスフルでありながらも、爆笑を誘うコメディです。
  • Prehistoric Planet: Ice Age(プレヒストリック・プラネット:アイスエイジ)
    このネイチャードキュメンタリーは、『ジュラシック・パーク』と『プラネット・アース』を融合させたような作品です。セレブリティのナレーションから息をのむような風景のショットまで、大作ドキュメンタリーの要素をすべて備えていますが、そのすべてが「フェイク」です。最新の科学に基づいて、先史時代の生物がどのような生活を送っていたかを想像して描かれています。最新シーズンは氷河期に舞台を移し、トム・ヒドルストンの落ち着いた声で物語が語られます。
  • Mythic Quest(神話クエスト)
    ビデオゲーム業界を風刺した本作は、最終シーズンをもって完結しました。最終シーズンでは、ゲーム業界への批判を続けつつも、キャラクターたちの感情の幅を広げ、より深みのある人物像を描き出しました。ボーナスとして、スピンオフ作品『Side Quest』もリリースされ、その世界観をさらに広げました。
  • Monarch: Legacy of Monsters(モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ)
    この作品は完全に新作ではありませんが、間もなく追いつきたくなることでしょう。シーズン2は来年2月(2026年2月)に配信予定で、これまでに多くの出来事が展開されています。本作は、ゴジラやキングコングといった「タイタン」(怪獣)を扱う秘密組織モナークグループを追う物語。謎とアクションのバランスが良く、巨大怪獣とのクールな遭遇シーンが数多く描かれています。

元記事: https://www.theverge.com/entertainment/845366/apple-tv-best-shows-2025