Mozillaの新CEO、FirefoxへのAI導入を発表も「選択の自由」を強調

Mozillaの新CEOが語るFirefoxのAI戦略

Mozillaは、新たなCEOとしてアンソニー・エンザー=デメオ氏を任命しました。同氏は以前、Firefoxのゼネラルマネージャーを務めており、暫定CEOだったローラ・チェンバース氏から引き継ぎます。エンザー=デメオ氏は、AIが急速に変化するブラウザ市場において、Firefoxが再び競争力を高めるための重要な戦略を発表しました。

ブラウザ市場の現状とAIの台頭

現在、ウェブブラウザ市場はAIの進化により大きな変革期を迎えています。長らく市場を牽引してきたFirefox、Google Chrome、Apple Safariといった既存のブラウザは、Perplexity、Arc、OpenAI、Operaなど、AIモデルやエージェントをブラウザに直接組み込むことで、インターネット利用の最前線にAIをもたらす新たな挑戦者たちに直面しています。こうした状況に対し、MozillaもAIへの投資と機能統合を進める方針を示しています。

MozillaのAI導入方針:選択の自由を重視

エンザー=デメオ氏は、Firefoxおよびその他の製品にAI機能を導入する計画を明らかにしましたが、その中でも「AIは常に選択肢であるべきだ — 簡単にオフにできるものであるべきだ。人々はなぜその機能がそのように動作するのか、そしてそこからどのような価値を得られるのかを知るべきだ」と述べ、ユーザーがAI機能の利用を自由に選択できることを強調しました。これは、プライバシーとユーザーコントロールを重視するMozillaの基本理念を反映したものです。

収益多様化とエコシステム拡大への展望

Mozillaはまた、Googleをデフォルトの検索エンジンとすることで得られる収益に大きく依存している現状からの脱却を目指し、収益源の多様化を進める方針です。エンザー=デメオ氏は、Firefoxを「信頼できるソフトウェアのより広範なエコシステム」へと発展させることを計画しており、同社が既に開発しているThunderbirdメールクライアントやVPNサービス、さらには中小企業向けAI搭載ウェブサイト作成ツールなども、この戦略の一環として位置づけられています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/17/mozillas-new-ceo-says-ai-is-coming-to-firefox-but-will-remain-a-choice/