オンライン学習の二大巨頭が統合
オンライン学習プラットフォームの主要企業であるCoursera(コーセラ)とUdemy(ユーデミー)は、約25億ドル(約3,700億円)と評価される合併契約に合意したことを12月17日水曜日に発表しました。この合意により、CourseraがUdemyを全株式取引で買収し、オンライン教育市場における新たな潮流を生み出すことになります。合併は規制当局の承認および株主の承認を経て、来年後半に最終決定される予定です。
市場の逆風と成長戦略
今回の合併は、両社が市場の逆風に直面する中で実現しました。2025年第3四半期には両社ともに収益成長を記録したものの、株価は低迷しており、投資家の信頼が揺らいでいる状況でした。両社は、合併を通じてそれぞれの強みを結集することで、即時的なリターンと長期的な成長の可能性の両方を株主に提供できると説明しています。
UdemyのCEOであるヒューゴ・サラザン氏は、「Courseraとの統合により、学習者、企業顧客、そして講師に大きなメリットをもたらし、結合された企業の強固な成長潜在力により、株主にも大きな価値を提供できる」とコメントしています。
AIが牽引するオンライン教育の未来
さらに、オンライン学習市場が特にAIの導入によって拡大を続ける中、サラザン氏は合併がAIを活用した製品導入計画を加速させると述べています。
- Courseraは最近、OpenAIのChatGPTアプリエコシステムとの統合と、Anthropicとのコンテンツパートナーシップを発表しました。
- 一方、Udemyも合併発表の2日前に、短くパーソナライズされたレッスンを提供する「AIを活用したマイクロラーニング体験」を導入しました。
両社は、AIが職場を変革し、多くの従業員にとってAIリテラシーが必須となる中で、合併がこの変化に対応する上で有利に働くと考えています。近年のAIスキルを求める求人情報の急増は顕著であり、ある調査によると、採用担当者の3人に1人はAIスキルを持たない候補者を検討しないと回答しています。
CourseraのCEOであるグレッグ・ハート氏は、「AIがすべての職種、すべての業界で求められるスキルを急速に再定義している岐路に立っている。世界中の組織と個人は、学習者が習得すべき新しいスキルと同じくらいアジャイルなプラットフォームを必要としている」と付け加えました。
今後の動向
この大型合併は、オンライン教育市場における競争環境と技術革新のペースを大きく加速させることとなるでしょう。両社の統合によって生まれる新しいプラットフォームが、学習者、企業、そしてIT業界全体にどのような影響を与えるか、今後の動向が注目されます。
元記事: https://techcrunch.com/2025/12/17/coursera-and-udemy-enter-a-merger-agreement-valued-at-around-2-5b/
