Epic Games、日本版iOSでのフォートナイト提供を断念
Epic GamesのCEO、ティム・スウィーニー氏が、人気ゲーム「フォートナイト」の日本版iOSでの提供を見送ると発表しました。これは、Appleが日本の「モバイルソフトウェア競争促進法(MSCA)」の施行に対して行ったApp Storeの規則変更と、それに伴う高額な手数料が原因とされています。
スウィーニー氏は、AppleがMSCAに「正直に」準拠していないと強く非難しており、「政府と日本国民に対し、著しい軽視をもって妨害と法破りという別の惨事を起こした」と述べました。
Appleの「競争を阻害する手数料」に対するEpicの批判
Epic Gamesは、Appleが「競争を破壊するような高額な手数料」を課していると主張しています。具体的には、代替アプリマーケットプレイスを通じて配布されるアプリからの収益に対して5%の手数料、またはApp Storeを通じてWebリンクからデジタル購入が行われた場合は15%の手数料が適用されるとのことです。
スウィーニー氏は、「Appleがユーザーと競合他社との間の地位を悪用し、公正な取引を妨害する限り、真の競争は起こらず、消費者は利益を得られないだろう」と述べ、この状況がプラットフォーム提供者、開発者、消費者の関係にとって「悲しい日」であると語っています。
日本の公正取引委員会への提訴とAppleの反論
Epic Gamesは、Appleに対する苦情を日本の公正取引委員会に提出する計画を明らかにしています。これは、Appleの現在の対応が公正な競争を阻害しているとの見方に基づいています。
一方、Apple側は、MSCAを遵守するための新規則を制定するにあたり、日本の規制当局と協力したと説明しています。日本の規則では、Appleがその知的財産に対して報酬を受け取ることや、プライバシーやセキュリティが損なわれる状況で要求を拒否することが認められていると強調しています。
日本のMSCAと欧州の状況
日本のMSCAは、代替アプリマーケットプレイスの導入、代替決済方法の利用、そしてiPhoneのサイドボタンに新しい機能設定を許可するなど、多様な選択肢をユーザーに提供することを目的としています。
Epic Gamesは欧州連合(EU)ではEpic Games Storeを展開していますが、EUでもAppleは「コアテクノロジーフィー」として0.50ユーロを課しており、2026年1月1日からは5%の「コアテクノロジーコミッション」に移行する予定です。このEUでの手数料体系は、日本で課される手数料と非常に類似していると指摘されています。
元記事: https://www.macrumors.com/2025/12/18/fortnite-japan-fee-complaints/
