Apple、開発者契約を更新:未払い金徴収権限を強化、デベロッパーに予期せぬ影響か

新しい開発者契約の概要

Appleは水曜日、開発者ライセンス契約を更新し、未払い金(コミッションやその他の手数料)をアプリ内購入から相殺または徴収する権限を公式に取得しました。この変更は、外部決済システムが許可されている地域(EU、米国、そして新たに日本)のデベロッパーに影響を及ぼします。これらの地域では、デベロッパーは外部決済をAppleに報告し、所定のコミッションや手数料を支払う必要があります。

この契約変更は、デベロッパーが収益を過少報告しているとAppleが判断した場合に、同社が「正しい」と信じる手数料を徴収する手段を与えるものと考えられます。

徴収方法と対象

Appleの新しい開発者契約では、同社は「エンドユーザーからあなたの代わりにAppleによって徴収されたあらゆる金額」を含め、支払われるべきと信じる金額を「相殺または徴収」するとしています。これは、Appleがデベロッパーのアプリ内購入(デジタル商品、サービス、サブスクリプションなど)や有料アプリケーションの一時料金から未払い金を回収できることを意味します。

さらに、Appleは「いつでも」「随時」この資金を徴収する権利を有すると明記しており、デベロッパーはAppleが未払い金があると判断した場合、予期せぬ控除に直面する可能性があります。契約には、Appleがどのように未払い金を判断するかについての具体的な方法は明記されていません。

また、この契約変更により、Appleは債務を負うアカウントに関連する「関連会社、親会社、または子会社」から未払い金を徴収する権利も得ました。これは、デベロッパーの他のアプリや、親会社が公開しているアプリから資金が徴収される可能性があることを意味します。

EUにおける変更点:コアテクノロジー手数料

現在、EUでは、過去12か月間で100万を超える年間初回インストールごとに0.50ユーロの「コアテクノロジー手数料(CTF)」が課されています。2026年1月からは、AppleはCTFから「コアテクノロジーコミッション(CTC)」と呼ばれる新しい手数料に移行します。CTCはより複雑なパーセンテージベースの手数料であり、外部決済方法を使用するか、EUの代替ビジネス条件に基づいて配布されるアプリに適用されます。

その他の重要な変更点

上記以外にも、開発者契約にはいくつかの修正が加えられています。

  • 年齢認証技術に関するセクションが追加されました。
  • 日本におけるiOSアプリに関する新しい規約が盛り込まれました。
  • iPhoneのサイドボタンで起動する音声アシスタント(AIチャットボットなど)の要件が定義されました。
  • ユーザーの認識なしに行われる録音の禁止に関する項目も追加され、「あなたのアプリケーションは、他者の認識なしに録音を容易にするように設計されてはならない」と記されています。これは、デベロッパーがユーザーの問題やバグを特定するためによく利用する画面録画などが対象となる可能性があります。

元記事: https://techcrunch.com/2025/12/18/apple-becomes-a-debt-collector-with-its-new-developer-agreement/