Hyper創業者が手掛ける半固体MagSafeモバイルバッテリー「SolidSafe」を発表:安全性と長寿命を両立

革新的な半固体MagSafeモバイルバッテリー「SolidSafe」登場

モバイルアクセサリー業界のベテラン、ダニエル・チン氏(Hyperブランドで知られるSanhoの創業者)が立ち上げた新会社BMX(Better Mobile Xperience)が、Kickstarterでの成功を経て、半固体MagSafe対応モバイルバッテリー「SolidSafe」の一般販売を開始しました。

2025年には従来のモバイルバッテリーが相次ぐリコールに見舞われ、FAA(連邦航空局)や航空会社からも注目されるなど、安全性への懸念が高まっています。このような背景の中、BMXのSolidSafeは、既存のバッテリーに対する安全で長寿命な代替品として期待されています。

半固体バッテリー技術の利点

BMXは、そのバッテリーを「固体電池」と呼称していますが、実際には固液混合電解質を採用した「半固体電池」です。しかし、この技術は従来の全液電解質リチウムイオンバッテリーと比較して明確な利点を持っています。

  • 安全性の大幅な向上:熱暴走のリスクが低く、ドリルで穴を開けたり、曲げたり、切断したりしても発火しにくいことが実証されています。
  • 長寿命化:従来のバッテリーの2倍以上の寿命を実現しています。
  • 既存の製造プロセスに対応:コストを抑えつつ大量生産が可能で、環境負荷も低減します。

BMXによると、購入価格は従来のバッテリーの約2倍ですが、2倍以上の寿命を持つため、長期的にはコストパフォーマンスに優れているとのことです。

製品ラインナップと機能

SolidSafeシリーズは、以下のラインナップで展開されます。

  • 5,000mAhモデル
  • 10,000mAhモデル
  • 10,000mAhモデル(512GBまでのmicroSDスロット搭載):価格は129ドル

すべてのモデルが15W Qi2 MagSafe互換のワイヤレス充電に対応していますが、最新の25W Qi2.2ではなく、旧規格に留まっています。有線充電では、30W USB-Cの入出力が可能で、利便性の高いUSB-Cケーブルがストラップに統合されています。

今後の展望

現在、BMXの公式サイトではSoldSafeシリーズは品切れとなっていますが、来年1月には米Amazonでの販売が予定されており、より多くの消費者の手に届くようになるでしょう。安全性と性能を両立した半固体モバイルバッテリーは、モバイル電源市場に新たな基準をもたらす可能性を秘めています。


元記事: https://www.theverge.com/news/847925/bmx-hyper-semi-solid-state-power-banks