導入:新感覚パズルゲーム『Dogpile』
デジタルエンターテインメントの世界に、人気ゲームの要素を巧みに融合させた新たなパズルゲーム「Dogpile」が登場しました。本作は、デッキ構築型ローグライク「Balatro」の戦略性、「テトリス」の空間パズル、そして「スイカゲーム」のようなマージ系ゲームの魅力を、愛らしい子犬たちの世界観で包み込んでいます。数字が積み上がる快感と、犬への愛情を同時に満たしてくれる、心地よいバイブスに満ちた一作として注目されています。
ゲームプレイの核心:犬たちのマージと物理演算
「Dogpile」の基本的なゲームプレイはシンプルです。同じ種類の犬を積み重ねてマージし、より大きな犬を生成してポイントを獲得します。最小単位のチワワから始まり、マージを繰り返すことでポメラニアンなどの様々な犬種へと進化していきます。ゲームフィールドに犬たちが「テトリス」のように積み上がっていく中、犬がフィールドの最上部に溢れるとゲームオーバーとなります。本作は物理演算エンジンを搭載しており、犬たちの落ちる重力、動きの物理、そして軌道がゲーム展開に大きく影響します。「弾む」や「磁石のように引き合う」といったモディファイアを導入することで、ゲームの物理的な側面がさらに面白みを増しています。犬たちがマージする際に聞こえる「ポン」という心地よい音と「ワン」という鳴き声は、プレイヤーを飽きさせない工夫の一つです。
戦略的深み:『Balatro』の影響
ポーカーゲームではありませんが、「Dogpile」には「Balatro」の遺伝子が色濃く受け継がれています。各ラウンドで、犬を「スーツ」に見立てたカードがプレイヤーに配られます。ゲーム内で獲得した資金を使って、デッキに新しい犬カードやタグ(「Balatro」のジョーカーに類似)を追加し、デッキを改造することができます。例えば、15ドル(ゲーム内通貨)でチョウチョウカードを購入したり、特定の犬を回転させて犬の山をかき乱し、さらなるマージの機会を生み出すタグを獲得したりできます。また、「グルーミングサロン」では犬カードに直接「フレンドリー」(同種の犬に磁石のように引き寄せられる)といったポジティブな特性を付与したり、「ノミ」(良い特性を無効化する)のようなネガティブな特性を排除したりすることも可能です。「ペットショップ」では、新しい犬カードやタグを購入して、デッキをさらに強化できます。
デッキ構築と中毒性:勝利への道筋
「Dogpile」で最も「Balatro」に似ているのは、シナジーを構築してポイントを最大化するためのデッキ構築戦略です。例えば、「吠える」特性(犬を落とすと山をかき乱す)と、犬が吠えるたびにポイントを獲得できるタグを組み合わせることで、得点を爆発的に伸ばすことができます。このような「数字が跳ね上がる」感覚や、レジの音が鳴り響くような演出は、多くの「Balatro」ライクゲームが「ギャンブル依存症の心理」に巧みに作用し、プレイヤーを引き込む要素となっていることを改めて示唆しています。
『Balatro』との比較と展望
一方で、批評家は「Dogpile」が「Balatro」ほどの深い多様性や無限のデッキ構築の可能性を提供しているわけではないと感じています。ボスチャレンジはなく、ポイント目標を達成できなかった場合も即座にゲームオーバーとはならず、無視できるものから即座に敗北につながるものまで、様々な負のイベントや特性の中から選択することになります。しかし、マッチ3ジャンルを複雑化し、「Balatro」の革新的なゲームシステムをポーカー以外の領域に押し広げた点において、「Dogpile」は価値ある試みであると言えるでしょう。そして、もちろん、ゲーム内の犬たちは撫でることができます。
製品情報
「Dogpile」は現在、Steamにて発売中です。
元記事: https://www.theverge.com/entertainment/848041/dogpile-review-inde-game-steam-balatro-puppies
