Ringの新機能「Search Party」はデフォルトで有効:あなたはオプトアウトすべきか?

Ringの新機能「Search Party」とは?

Amazon傘下のスマートセキュリティ企業Ringは、迷子になった犬を見つけるための新機能「Search Party」を発表しました。この機能は、誰かがRingのNeighborsアプリに迷子の犬の写真を投稿すると、Search Partyが開始されます。RingはAIを使用して、近くの屋外Ringカメラやドアベルの映像をスキャンし、迷子のペットを検出します。他のデバイスで検出された場合、そのカメラの所有者に通知が届き、ペットの飼い主と映像を共有するかどうかを選択できます。

Ringの創設者であるジェイミー・シミオフ氏は、「あなたのRing AIアシスタントがその犬を探し、迷子の犬に似た犬を見つけたら教えてくれます」と説明しています。その後、ユーザーは映像を共有するか、Neighborsアプリを通じて飼い主に通知するかを決定できます。

デフォルト設定への懸念とユーザーの同意

しかし、このSearch Party機能はデフォルトで有効になっていることが判明しました。シミオフ氏は顧客へのメールで、この機能が11月にRingの屋外カメラに展開されることを伝え、「Search Partyはいつでもオフにできます」と述べています。筆者が確認したところ、自身のカメラも自動的にSearch Partyが有効になっていました。RedditのRingユーザーも同様の報告をしています。

シミオフ氏が述べたように、この機能はオフにすることができ、映像が見つかった場合でも、共有するかどうかを決定する前にレビューする機会があります。Ringは、所有者の同意なしに映像が共有されることはないと主張しています。

しかし、デフォルトでオプトインされるという設定は、特にRingが過去に警察と映像を共有してきた経緯を考えると、侵害的だと感じられます。迷子の犬を見つける手助けをしたいという気持ちはありますが、自分の映像が検索されるかどうかは、ユーザーが選択できるべきです。

プライバシーよりも「同意」の問題

この問題は、プライバシーよりも「同意」に関わる側面が強いと言えます。Search Partyは、Ringが現在提供している人物、車両、荷物に対するAIパワードのスマートアラートと同様の仕組みで動作します。これらのアラートの場合、カメラの映像はRingのクラウドで分析されます。しかし、ユーザーは荷物を検索するようRingに指示しましたが、犬を検索するようには指示していません。

犬が見つかった場合でも、そのアラートを犬の飼い主と共有するかどうかはユーザーが選択できます。自動的に送信されることはありません。シミオフ氏は「ユーザーが知らないうちにデータが環境から漏れることは望んでいません」と述べています。

顔認識機能との組み合わせによる将来的な懸念

ほとんどの人は迷子の犬を見つける手助けを喜んで行うでしょうが、この機能が将来的にどこへ向かうのかという懸念も存在します。Ringは今週、初めてカメラに顔認識機能「Familiar Faces」を導入することも発表しました。これは、家族や友人の画像をアプリに登録することで、カメラが誰を認識したかについて特定の通知を受け取れる機能です。

Search Partyと顔認識機能の組み合わせは、将来的にRingのクラウドが特定の個人を検索するために使用される可能性はないのかという疑問を提起します。Ringの広報担当者ヤッシ・ヤージャー氏は、現時点ではそのような計画はないと述べています。「Search Partyは、犬の画像をRingの動画で捉えられた犬と照合するように設計されています」とし、「人間の生体認証を処理するようには設計されていません」と説明しています。さらに、Search Partyの映像は、警察などの公安機関が一般市民に協力を求める「Community Requests」サービスには含まれないとも述べています。

筆者の見解

自身のカメラを使ってペットの居場所を定期的に確認している筆者としては、Search Partyは素晴らしいツールになり得ると考えており、自宅のRingカメラではこの機能を有効にしておくつもりです。しかし、それでもRingは、この機能をすべての人にデフォルトで有効にする前に、ユーザーに尋ねるべきだったと考えています。


元記事: https://www.theverge.com/news/790928/ring-search-party-cameras-default-opt-out