Google、ニュースにAI概要導入を試験運用
Googleは、一部のニュース出版社と提携し、GoogleニュースページでAIを活用した記事概要(AI-powered article overviews)のテストを開始しました。これは、AIがどのようにしてより多くの読者のエンゲージメントを促進できるかを探るための新たな商業的パートナーシッププログラムの一環です。
このパイロットプログラムに参加している主要なニュースパブリッシャーには、
- Der Spiegel
- El País
- Folha
- Infobae
- Kompas
- The Guardian
- The Times of India
- The Washington Examiner
- The Washington Post
などが名を連ねています。
AI概要の狙いと影響
Googleは、AI生成の概要によってユーザーが記事を読む前により多くのコンテキストを得られるようになると述べています。AIによる要約はニュース記事へのクリック数を減少させる可能性も指摘されていますが、Googleはこの商業パイロットプログラムに参加するパブリッシャーに直接支払いを行うことで、サイトへの潜在的なトラフィック減少を補填するとしています。
このAI概要は、参加パブリッシャーのGoogleニュースページにのみ表示され、Googleニュースや検索の他の場所には表示されません。GoogleがニュースにAI要約を導入するのは今回が初めてではなく、7月には検索アプリ内の主要なニュースフィードであるDiscoverでAI要約を展開しています。
新たな機能とパートナーシップ
新しい機能には、明確な帰属表示と記事へのリンクが含まれる予定です。また、このパイロットプログラムの一環として、ニュースを読むよりも聞くことを好む人々向けに、オーディオブリーフィングの実験も行われています。
さらにGoogleは、Geminiアプリでのリアルタイム情報を組み込み、結果を強化するために、Estadão、Antara、Yonhap、The Associated Pressなどの組織と提携しています。
「優先ソース」機能のグローバル展開とGeminiアプリの強化
Googleは、8月に米国とインドで最初に開始された「優先ソース(Preferred Sources)」機能を世界中で展開すると発表しました。この機能により、ユーザーはGoogle検索結果のトップ記事セクションに表示されるお気に入りのニュースサイトやブログを選択できるようになります。
今後数日中には英語圏のユーザー向けに提供が開始され、来年初頭にはすべてのサポート言語に展開される予定です。また、今後数週間のうちにGeminiアプリでは、ニュース購読からのリンクが専用のカルーセルで強調表示され、AI概要やAIモードがそれに続く予定です。
これらの機能はユーザーが好みのソースからニュースにアクセスしやすくする一方で、異なる視点への露出を制限し、イデオロギー的なバブルに閉じ込めるリスクも指摘されています。Googleは、AIモードにおけるインラインリンクの数を増やし、埋め込みリンクの有用性を説明する「文脈的導入(contextual introductions)」も導入しています。
Googleの今後の展望
Googleは、人々の情報消費の仕方が進化する中で、世界中の人々のために製品を改善し続け、エコシステム全体のステークホルダーからのフィードバックに取り組むと述べています。同社は、主要なニュースパブリッシャーから新たな新興の声まで、あらゆる規模のウェブサイトやクリエイターとの協力を強調しています。
