SleepbudsメーカーOzlo、睡眠データプラットフォームでヘルスケア市場へ参入

Ozloが睡眠データプラットフォーム化を推進

快適なSleepbudsで知られるOzloは、その製品を単なるハードウェアから睡眠データプラットフォームへと進化させています。昨年12月に瞑想アプリ「Calm」との提携を発表して以来、このプラットフォーム戦略は本格化。ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)では、さらなるパートナーシップ拡大に向けた会談が行われました。

Ozloの計画は、消費者向けハードウェア販売を超え、高収益が期待されるソフトウェアサブスクリプションやヘルスケア市場へと事業を拡大することにあります。例えば、AIを活用したソフトウェア機能や耳鳴り治療機能は、プレミアムサブスクリプションとして提供される見込みです。また、神経科学系スタートアップの買収により、コンシューマー製品から医療機器市場への参入も視野に入れています。

データ駆動型エコシステムの構築

元Bose社員によって設立されたOzloは、創業当初からエコシステム構築を意図していました。共同創設者兼CEOのNB Patil氏によると、「iOSおよびAndroid向けSDKを開発し、自社アプリもこのSDK上で動作しています。これにより、アプリのあらゆる機能を外部パートナーに提供することが可能です。」

提携先のCalmは、このSDKを利用して、提供する睡眠・瞑想コンテンツが実際にユーザーに効果をもたらしているかを測定しています。Ozloのセンサーは、身体の動きや呼吸数の変化からユーザーが睡眠中かリラックス状態かを検知し、そのデータを充電ケースに送信します。充電ケースに搭載された温度センサーや光センサーも、追加のデータを提供します。これらの情報は、Calmなどのパートナーアプリと共有され、コンテンツの効果検証に活用されます。

Patil氏は、コンテンツクリエイターが「効果測定のためのデータがないため、コンテンツの効果を理解していない」と指摘し、Ozloのプラットフォームが「ユーザーが望ましい状態を達成した際のリアルタイムなアクション」と「コンテンツクリエイターが適切なコンテンツに投資するためのデータ提供」の二つの側面で重要であると説明しました。

このパートナーシップは、ハードウェア販売以外の新たな収益源もOzloにもたらします。例えば、ユーザーがパートナー製品のサブスクリプションをアップグレードした場合、Ozloがその取引の一部を受け取る可能性があります。同社は他の睡眠・瞑想アプリだけでなく、セラピーやオーディオブックなど、あらゆるコンテンツ分野への展開を検討しています。

さらに、Ozloは顧客の15%が抱える耳鳴りの問題に対処するため、耳鳴り治療ツールも開発中です。ウォルターリード病院との臨床研究を経て、特定のマスキング周波数を夜間に再生することで、脳が耳鳴りの信号を停止すると判明しました。この耳鳴り治療は、2026年第2四半期にサブスクリプション形式で提供開始される予定です。

AIとIoT連携で睡眠体験を最適化

Ozloは、自社アプリで提供するインサイトの拡大にも注力しており、AIはその中心的な要素です。昨年11月には、ユーザーが睡眠時間、質、週間パターン、睡眠を妨げる要因を把握できる「Sleep Patterns」機能をアプリ内に導入しました。

今年、Ozloは、顧客がテキストで対話できるAIエージェント「スリープバディ」を導入する計画です。このAIは、他のウェアラブルデバイスやApple HealthKitと連携することで、ユーザーの睡眠パターンをより深く理解し、より良い睡眠のためのニーズを把握します。また、スマートサーモスタットなどのIoTデバイスとも接続し、ユーザーが夜間にケースを開けるだけで最適な睡眠温度を設定できるようになる予定です。これらのAI機能も2026年第2四半期に提供開始される見込みです。

新ハードウェアと脳波センシング技術で医療分野へ

Ozloは、新ハードウェアの開発も進めています。

  • 次世代充電ケース: イヤホンがケース内で適切に装着されるよう内部形状が改良され、Bluetoothペアリングボタンが追加されます。アンテナとエクステンダーの改善、アンプ搭載により、飛行機や電車内での騒音を遮断するためにより大きな音量を提供できるようになります。これも2026年第2四半期に登場予定です。
  • ベッドサイドスピーカー: 2026年第2四半期に発売される予定で、Sleepbudsと同様の機能を提供しますが、耳に入れる必要がありません。センサーを搭載し、トイレでの目覚め回数を追跡したり、転倒時にアラートを発したりする機能も備えます。13歳未満の子供や、インイヤーデバイスの操作に抵抗がある高齢者層にもアピールできる製品です。

将来的に、Hatchのような光を使った穏やかな目覚まし機能も製品に追加される予定ですが、時期は未定です。

さらに、Ozloの成長戦略には買収も含まれています。同社は最近、EEG(脳波)に特化したアイルランドの神経科学系企業Segotiaを買収しました。これにより、Ozloは「ヒアラブル」技術を通じて脳レベルの知見をコンシューマーデバイスにもたらし、将来的にはリアルタイムの睡眠介入ツールを開発することを目指しています。

Patil氏は、「耳から電気信号を測定できるイヤチップをカスタム設計しており、そこから脳のデルタ信号を導出し、睡眠時や意識時の脳の状態を把握できるようになります。」と説明しています。このEEG技術を組み込んだ製品は2027年に発売され、同社は医療製品分野へも進出する予定です。

今後の展望

Ozloは、今後、新機能や製品を迅速に投入し、顧客基盤を拡大していくためには、さらなる資金調達が必要となります。現在、同社はシリーズBラウンドのクローズを進めているとのことです。


元記事: https://techcrunch.com/2026/01/09/how-the-sleepbuds-maker-ozlo-is-building-a-platform-for-sleep-data/