Capital One、フィンテック企業Brexを51.5億ドルで買収 – ピーク時評価額の半額以下も初期投資家は歓喜

巨額買収の背景

Capital Oneがフィンテック企業Brexを現金と株式で51.5億ドル(約7,600億円)で買収すると発表しました。この買収額は、Brexが2022年のシリーズD-2ラウンドで達成したピーク時評価額123億ドル(約1.8兆円)の半分以下にあたります。一部では「冷やかし」の声も聞かれましたが、初期からBrexを支援してきたベンチャーキャピタルにとっては大成功を意味します。

初期投資家の「大勝利」

特に、2017年の創業直後に700万ドルのシリーズAラウンドを主導したMicky Malka氏率いるRibbit Capitalは、投資額を約700倍に増やしたと見られています。Ribbit Capitalの他にも、Y Combinator、Kleiner Perkins、DST Global、そしてPeter Thiel氏やMax Levchin氏といった著名な個人投資家も初期から出資しており、ベンチャーキャピタルがいかに魅力的な資産クラスであるかを改めて示す事例となりました。

ライバルRampとの対比

一方で、この買収はBrexのライバルであるRampの急成長とは対照的な結果となりました。Brexが勢いを失いつつあった数年前、Rampは目覚ましい成長を遂げ、昨年3月に130億ドル、11月には320億ドルに評価額を拡大しています。Rampは累計23億ドルの資金調達を行い、昨年10月には年間経常収益(ARR)が10億ドルを突破し、顧客数も5万社以上に達したと発表しています。

Capital Oneの戦略とBrexの強み

Capital Oneにとって、この買収は非常に有利なタイミングで行われました。すでに昨年5月にDiscover Financialを350億ドルで買収していたCapital Oneは、Brexの技術プラットフォームと顧客基盤(TikTok、Robinhood、Intelなどが含まれると報じられています)を手に入れるだけでなく、最近取得された欧州連合(EU)での事業ライセンスを通じて、即座に欧州の法人顧客へのアクセスを獲得します。また、Brexが提携銀行やマネーマーケットファンドを通じて管理する130億ドルの預金も、Capital Oneにとって魅力的な要素です。

Brexは、買収のわずか5ヶ月前にEUでの事業ライセンスを取得しており、これにより30のEU加盟国全てで直接クレジットカードやデビットカードを発行し、支出管理サービスを提供できるようになりました。これは、かつて米国に拠点を持つEU企業のみを対象としていたBrexにとって、グローバル展開における重要な足がかりでした。

Brexの歩みと過去の課題

Brexの共同創業者であるブラジル出身のPedro Franceschi氏とHenrique Dubugras氏は、スタンフォード大学を中退後、2017年にBrexを創業しました。彼らは以前、ブラジルで決済処理スタートアップを立ち上げ、成功を収めた経験を持っています。

しかし、Brexの道のりは常に順風満帆ではありませんでした。2019年にはサンフランシスコのカフェを買収するという異色の事業展開があり、コロナ禍と重なり失敗に終わっています。また、2022年には中小企業顧客数万社との契約を解除し、VCからの資金調達を行っている企業やエンタープライズ顧客に注力するという物議を醸す決断を下しました。この戦略転換は、Brexを現在のExitへと導いた要因の一つと考えられています。

後期投資家の明暗

この取引は第2四半期中に完了する見込みです。74億ドル以上の評価額で投資していたTCV、GIC、Baillie Gifford、Madrone Capital Partners、Durable Capital Partners、Valiant Capital Management、Base10といった後期投資家にとっては、期待通りのリターンではなかったかもしれませんが、現在の市場環境において現金化できたことは大きな意味を持ちます


元記事: https://techcrunch.com/2026/01/22/capital-one-acquires-brex-for-steep-discount-to-its-peak-valuation-but-early-believers-are-laughing-all-the-way-to-the-bank/