Tattle TVとは:AIで古典映画をモバイル向けに再構築
英国のストリーミングプラットフォーム「Tattle TV」は、AI技術を駆使してアルフレッド・ヒッチコックのサイレント映画「下宿人:ロンドンの霧の物語 (The Lodger: A Story of the London Fog)」を縦型動画の「マイクロドラマ」として公開しました。これは、モバイル視聴向けに古典映画を再利用する新たな試みとして注目されています。
Tattle TVは、映画制作者であるフィリップ・マクゴールドリック氏とマリーナ・エルダートン氏によって設立され、犬の飼い主をテーマにしたリアリティデートシリーズや女性MMAファイターに関する現代ドラマなども配信しています。同社の目標は、AIを活用して既存のコンテンツを新しい視聴形式に適応させることで、幅広い視聴者層を獲得することです。
縦型フォーマットへの挑戦と課題
しかし、Tattle TVの「下宿人」の縦型版は、その適応性において「不器用な適合 (awkward fit)」であると報じられています。元の横長のアスペクト比を持つ映画を縦型に変換した結果、多くの登場人物が画面からクロップされ、主要キャラクターにのみ焦点が当たる形となっています。また、サイレント映画特有の音楽ではなく、現代のスリラー映画の予告編のような不吉なサウンドトラックが使用されており、作品本来の雰囲気を損なっているとの指摘もあります。
エルダートン氏は、縦型動画に馴染みのない英国の視聴者層にアプローチするため、「認識できる番組を再利用することは、縦型動画が何であるかを紹介する上で非常に興味深い」と述べています。しかし、現在のところ、その表現方法には課題が残るようです。
収益モデルと今後の展望
Tattle TVは、他のマイクロドラマアプリと同様に、コンテンツを短いセグメントに分割し、ユーザーはアプリ内通貨「Tattle Coins」で購入するか、月額3.99ドル、年額29.99ドルのサブスクリプションで視聴できます。さらに、広告視聴などの「楽しいアクティビティに参加する」ことで「Reward Coins」を獲得できる仕組みも導入されています。
現在のライブラリは限られており、「下宿人」は著作権の都合上、パブリックドメインである米国でのみ利用可能です。しかし、同社は「モンティ・パイソン」や「クリスタル・メイズ」といった英国の古典作品の権利取得を進め、カタログを拡充する計画であると報じられています。
AI技術への期待と現実
マクゴールドリック氏は、Tattle TVが「最先端のAIツールを早期に採用している」ことで、今後も迅速に古典映画や番組の縦型版を制作できると自信を示しています。AIによる効率的なコンテンツ変換は、制作コストの削減やコンテンツ供給の加速に繋がる可能性を秘めています。
一方で、記事では、既存の映画を単純に縦型にクロップするだけでは、視聴者の想像力を捉えるのは難しいだろうと懐疑的な見方も示されています。AIを活用したコンテンツ再構築の可能性は大きいものの、その品質とユーザー体験のバランスが今後の成功の鍵となるでしょう。
元記事: https://www.theverge.com/entertainment/867844/tattle-tv-the-lodger-hitchcock
