Obsbotの新ジンバルウェブカメラ「Tiny 3」、350ドルの価格は妥当か?

はじめに:高機能ウェブカメラ市場に登場したObsbot Tiny 3

The Vergeのレビューによると、Obsbotから最新のジンバル搭載ウェブカメラ「Tiny 3」が発表されました。価格は350ドルと、ハイエンド市場を狙う製品です。Obsbotは「世界最小のパン・チルト・ズーム(PTZ)4Kウェブカメラ」であり、重量はわずか63グラムであると主張しています。しかし、その高価格が提供する機能や性能に本当に見合っているのか、詳細なレビューからその実態を探ります。

「最小のPTZ 4K」を謳うObsbot Tiny 3の主な特徴

Tiny 3は、以下の点でその革新性をアピールしています。

  • 4K/30fpsおよび1080p/120fpsの動画撮影に対応
  • 音声制御機能を搭載し、「Hi, Tiny」で起動、「Sleep, Tiny」でスリープ、「Track Me」でAI顔追跡などの操作が可能
  • 音声追跡機能やデスクトップモードも備える
  • ノイズフィルタリングに優れるとされるMEMSマイクを内蔵し、単体マイクに匹敵する音質を謳う
  • 1/1.28インチセンサー、F1.8の開口部、24mm相当の焦点距離
  • 低照度環境での性能向上のため、ISO感度は最大12800に設定可能

これらの機能は、特にリモートワークやコンテンツ作成において、高い利便性と品質を提供することを目指しています。

競合製品との比較と実際のパフォーマンス

レビューでは、Obsbot Tiny 3を競合であるInsta360のウェブカメラと比較しています。特に、Insta360 Link 2 Pro(249ドル)や、著者所有の3年前のInsta360 Linkとの比較が行われました。

  • 画質:Tiny 3はLinkよりもシャープな映像を生成しますが、「劇的な違いではない」と評価されています。特に静止画比較では、Tiny 3が影の描写で優れるものの、全体的な画質では3年前のInsta360 Linkと非常に近い水準であることが示唆されています。
  • 音声:MEMSマイクは、ギターの弦の音をより詳細に拾うなど、Linkよりも優れていると評価されました。しかし、ビデオ通話では圧縮によりその利点が薄れる可能性があり、音声品質にこだわるユーザーは既に専用マイクを使用していることが多いと指摘されています。
  • AI機能:音声制御は非常に良く機能しますが、会議中に「Track Me」と発言すると追跡が開始されるなど、場合によっては違和感があるため、機能をオフにしたという体験も共有されています。

ソフトウェアと価格設定の課題

Obsbot Tiny 3の最も大きな弱点として挙げられたのが、コンパニオンアプリの使い勝手です。

  • アプリは「乱雑で、ナビゲートしにくいごちゃごちゃしたもの」と酷評されており、重要な機能が分かりにくい場所に配置されている点が指摘されています。
  • Insta360がアプリの使いやすさで成功しているのに対し、Obsbotはまだそのレベルに達していないと結論付けられています。

この煩雑なソフトウェア体験が、350ドルという価格設定に対して、製品全体の価値を疑問視させる要因となっています。

結論:高価格に見合わない惜しい製品

Obsbot Tiny 3は、確かに高性能なセンサーやAI機能を搭載し、印象的なスペックを持つウェブカメラです。しかし、レビューでは、その画質や音質の向上が価格差を正当化するほどではないと評価されています。特に、直感的ではないコンパニオンアプリの存在は、高価格帯の製品としては見過ごせない欠点です。

結論として、The Vergeのレビューアーは、たとえ価格が競争力のあるものであったとしても、現状のソフトウェア体験を考慮すると、Tiny 3を推奨することには躊躇すると述べています。ウェブカメラを選ぶ際には、スペックだけでなく、ユーザー体験全体を考慮する必要があることを示唆する結果となりました。


元記事: https://www.theverge.com/tech/867950/obsbot-tiny-3-lite-hands-on-impressions