Blue Origin、New Shepard観光プログラムを「一時停止」
Jeff Bezos氏が設立した宇宙企業Blue Originは、弾道宇宙観光プログラム「New Shepard」を向こう2年間「一時停止」すると発表しました。これは実質的に、同プログラムの恒久的な終了を意味する可能性が高いと見られています。New Shepardは2015年4月の初飛行以来、38回の打ち上げと36回の着陸に成功し、98人を宇宙へ運び、200以上の科学ペイロードを微重力環境に投入してきました。
リソースを月探査とNew Glennに集中
今回の決定について、Blue OriginのCEO、Dave Limp氏は社内メールで「我々は人材とリソースを、月への人類の能力向上、特にNew Glennの開発加速に振り向ける」と説明しました。Limp氏は、月への帰還と永続的な月面滞在を確立するという国家目標の一翼を担う「並外れた機会」があることを強調しています。
社内にも驚き、費用対効果への疑問
この中止は、Blue Originの従業員にとっても概ね驚きをもって受け止められました。プログラムは直近まで飛行を続けており、新型ブースターやカプセルも開発中でした。一席あたり約100万ドルの費用にもかかわらず、New Shepardプログラムは長年、財政的な持続可能性について疑問が呈されていました。関係者によると、採算ラインには近づいたものの、依然として同社のリソースを消費しており、500人以上の従業員がこのプログラムに携わっていました。
NASAと米国宇宙産業への好影響
Blue Originの決定は、NASAの優先事項と合致しています。NASAはアルテミス計画の一環として、人類を月面に着陸させる契約において、SpaceXと競合するBlue Originに期待を寄せています。業界関係者からは、New Shepardからの撤退について「遺憾」と「感謝」の両方の声が聞かれました。このプログラムは、最小限の訓練で人々を宇宙に安全に運ぶ方法を提供しましたが、Bezos氏やKaty Perry氏のような著名人の飛行は、宇宙旅行が「億万長者と有名人のための遊び道具」であるとの批判も招いていました。
今後の展望
今回のプログラム終了は、順番を待っていた数十人の富裕層にとっては不便をもたらすかもしれませんが、より広範な米国宇宙産業にとっては「勝利」であると見られています。Blue Originは、多くのことを同時に進めようとし、結果として全てのプログラムの進捗が遅いという批判を受けていました。New Glennと月面着陸船プログラムへの短期的な集中は、宇宙へのアクセスと、中国との月探査競争において国家的な大きな利益となるでしょう。
