「Cairn」レビュー:執念の登山が描く、一歩ずつの達成感

イントロダクション:困難に立ち向かう登山ゲーム「Cairn」

新作ゲーム「Cairn」は、登山家Aavaが「Kami」という名の山頂を目指す、粘り強さと執念の物語を描いた作品です。筆者は高所恐怖症でありながらも、登山における一歩一歩の着実な進歩に魅力を感じてきました。本作は、まさにその「目の前の目標を一つずつクリアしていく」という感覚をゲーム内で見事に再現しています。

革新的なゲームプレイ体験

The Game Bakersが開発した「Cairn」は、従来のクライミングゲームとは一線を画します。プレイヤーはAavaの手足を一本ずつ操作し、壁の亀裂や突起、段差を見つけて登っていきます。同時に、バックパック内のツールやリソース(チョーク、食料、飲料、スパイクなど)を管理する戦略的な要素も重要です。

  • 手足の個別操作:キャラクターの全ての四肢を細かく操作し、リアルなクライミング体験を提供。
  • リソース管理:チョークでグリップ力を一時的に強化し、スパイクで落下時の安全を確保。食料や飲料で体力や体温を維持。
  • 環境要素:雨、風、雪、氷といった過酷な自然条件がゲームプレイにさらなる挑戦をもたらします。

「Jusant」や「Baby Steps」のような他のクライミングゲームが手や足の操作に特化しているのに対し、「Cairn」は全身を使ったクライミングのリアリティを追求しています。筆者のアマチュア登山経験から見ても、本作は優れたロッククライミングシミュレーターと言えるでしょう。

没入感と心理描写

ゲームの進行は困難を極めます。Aavaの手足の置き場を慎重に探し、次の動きを計画する間、プレイヤーは常に緊張感を強いられます。滑落は、最後のスパイクまで戻されるか、最悪の場合、死につながることもあります。

しかし、この厳しさの中にこそ静けさがあります。筆者はプレイ中、完全にゲームに没頭し、Aavaの視点と感情を共有しているかのように感じました。Aavaが良いグリップを見つけて安堵すれば共に喜び、滑落の危機に呼吸が速くなれば同じようにストレスを感じます。彼女が苛立ちを叫ぶとき、それはプレイヤー自身の感情の代弁のようでもあります。

物語と孤独な旅

Aavaの登山中には、彼女を気にかける人々との出会いもありますが、彼女はしばしば彼らに無礼な態度をとったり、遠ざけたりすることがあります。時にはロボットの相棒にも八つ当たりをするほどです。しかし、筆者もAavaと同様に「ただ山を登りたい」という衝動に共感し、その感情の複雑さもまた、本作の魅力となっています。

まとめ

「Cairn」は、一見すると乗り越えられないような大きな目標でも、目の前の一歩に集中し続けることで達成できるという、粘り強い挑戦の美しさを教えてくれます。ランニングを通して同様の達成感を感じてきた筆者にとって、このゲームは困難を乗り越える喜びと、それに伴う複雑な感情を思い出させてくれる作品でした。

「Cairn」は現在、PCおよびPS5向けにリリースされています。


元記事: https://www.theverge.com/games/874914/cairn-review-pc-playstation-5