代替アプリストア「AltStore」が600万ドルを調達、フェディバースと連携

代替アプリストア「AltStore」が600万ドルを調達し、フェディバースと連携

代替アプリストアのAltStoreは、600万ドルのシリーズA資金調達を発表しました。EUで代替アプリ市場の先駆者として知られる同社は、オープンソーシャルウェブである「フェディバース」との接続を準備しています。この動きにより、MastodonやMetaのThreadsなどのオープンソーシャルアプリのユーザーは、お気に入りのアプリの更新情報を新しい方法で受け取れるようになります。

資金調達と事業拡大

AltStoreはPace Capitalから600万ドルのシリーズA資金を調達しました。この取引により、Pace CapitalはAltStoreの15%の株式を取得し、共同創設者であるRiley Testut氏とShane Gill氏以外のチームを雇用することが可能になります。また、FlipboardのCEOであるMike McCue氏が同社の取締役会に加わります。この新たな資本は、EUだけでなく、オーストラリア、ブラジル、日本などの市場への拡大を支援するために活用される予定です。

EUのデジタル市場法(DMA)による成長と影響

EUのデジタル市場法(DMA)がAppleのような大手テック企業に競合他社の参入を強制したことで、AltStoreは顕著な成長を遂げました。同社は、ビデオゲームエミュレーター「Delta」などの自社アプリに加え、2024年6月以降、仮想マシンアプリ「UTM」などのサードパーティアプリを追加しています。昨年8月にはEpic Gamesと提携し、FortniteなどのモバイルゲームをEUのストア「AltStore PAL」に導入しました。

特筆すべきは、今年、初のiOS向けポルノアプリ「Hot Tub」をホストし、現在では同ストアのトップアプリとなっている点です。これは、Appleの厳格なコンテンツ要件とは異なる代替アプリストアの自由度と潜在的なリスクを示すものであり、コンテンツポリシーにおける重要な違いを浮き彫りにしています。AltStore PALでは、開発者が無料でアプリを自己公開できるようになり、現在では100以上の開発者が参加しています。開発者にとって、Appleの厳しい要件を満たさないアプリや、より柔軟なビジネスモデル(サブスクリプションや寄付など)を求める場合に、AltStoreは魅力的な選択肢となっています。

フェディバースとの統合による新たな展開

AltStoreは、ActivityPubプロトコル上で動作する独自のMastodonサーバーを立ち上げました。これにより、ユーザーはMastodonやThreadsのアカウントから、アプリの更新情報や新情報をフォローできるようになります。開発者は、アプリの更新情報をこの新しいサーバーに公開することを選択でき、JSONメタデータを通じて更新が自動化され、AltStoreのコンテンツがフェディバースに出力されます。共同創設者のTestut氏は、「ソーシャルレイヤーを追加する」と説明し、ユーザーがMastodonアカウントからアプリに返信したり、Threadsアカウントから「いいね」をしたりできると述べています。また、Blueskyとの連携も計画されており、アプリの発見可能性も向上する見込みです。

エコシステムへの貢献

AltStoreは、フェディバースのエコシステムに貢献するため、50万ドルを様々なプロジェクトに寄付することを発表しました。寄付先には、Mastodon gGmbH(30万ドル)、Bridgy Fed by A New Social、Ivory + Phoenix by Tapbots、Tapestry by The Iconfactory、mstdn.social、Akkoma、PeerTube、Bookwyrm、Fedifyなどが含まれています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/07/alternative-app-store-altstore-raises-6m-connects-with-the-fediverse/