英国CMA、Google検索に「戦略的市場地位」を付与
英国の競争・市場庁(CMA)は金曜日、Googleのオンライン検索および検索広告市場に対し、「戦略的市場地位」を付与したと発表しました。この決定により、CMAはGoogleに対してより厳格な規制を適用する道を開くことになります。
CMAは、Googleが検索および検索広告市場において「実質的かつ強固な」地位を確立しており、公正な競争を確保するために特別な規制が必要であると判断しました。CMAの報告書では、「Googleはこのデジタル活動において長期間にわたり比類のない地位を占めてきた。他の従来の一般検索プロバイダーはGoogleよりも著しく規模が小さく、その状況は長年続いている。Bingはこれらのプロバイダーの中で最大だが、現在のクエリと検索広告のシェアはともに5%未満である」と述べられています。
規制強化への道筋
今回の指定は、CMAがGoogleの不正行為の証拠を発見したことを意味するものではなく、直ちに新たな要件を課すものでもありません。しかし、これによりCMAは、Googleが英国で検索サービスを運営する方法を変更するためのさらなる評価を開始し、介入を導入することが可能になります。
指定の対象となるのは、Googleの検索およびオンライン検索広告サービス、AI対応検索機能(AI OverviewsやAI Modeなど)、Discoverフィードと結果、およびTop StoriesとNewsタブです。Google Newsアプリとウェブサイト、検索シンジケーションサービスは対象外です。CMAは、GoogleのGemini AIアシスタントは現時点では指定の対象外であるものの、AI検索市場の進化の不確実性を考慮し、将来的に指定の範囲を見直す可能性があると指摘しています。
想定される介入措置
今回の動きは、今年初めに英国の新しいデジタル市場競争体制が施行された後、Googleに対する9ヶ月間の調査に続くものです。CMAが検討している可能性のある執行措置には、以下のようなものがあります。
- 英国居住者が検索エンジンを選択・切り替えできる選択画面の導入
- データポータビリティシステムの実装
- 検索結果の公正なランキングの強制
- 検索におけるパブリッシャーの著作物の適切な帰属表示の確保
- GoogleのAIサービスに対する同意メカニズムの有効化
Googleの懸念と反論
Googleは、今回の指定に続く介入が英国のイノベーションを損なう可能性があると主張しています。同社はブログ投稿で、「英国は、検索のような人気サービスに対する高コストな制限をこれまで避けてきたため、他国よりも早く最新の製品やサービスを利用できてきた。この地位を維持するためには、不当に過酷な規制を避け、他国で見られた推定1,140億ユーロのコストをビジネスに与えた負の結果から学ぶ必要がある」と述べています。
さらにGoogleは、「このプロセスで提起された介入のアイデアの多くは、英国のイノベーションと成長を阻害し、AIベースのイノベーションが深化する時期に製品投入を遅らせる可能性がある。また、一部はビジネスに直接的な損害を与え、顧客への価格引き上げを余儀なくされる可能性があると警告している」と付け加えています。
