Threads、グループチャット機能をグローバル展開
Metaが提供するソーシャルメディアプラットフォーム「Threads」が、新たに最大50人まで参加可能なグループチャット機能を導入しました。この機能は本日よりグローバルで利用可能となり、これまでメッセージ機能が遅れていたEU圏のユーザーにも、数日中に個人メッセージとグループチャットの両方が提供される予定です。
Threadsのグループチャットでは、18歳以上のユーザーがテキスト投稿、動画、GIF、絵文字などを共有できます。これは、公開タイムラインで利用できる機能と同様です。
セキュリティ上の懸念:メッセージの非暗号化
しかし、この新機能には重要なセキュリティ上の注意点があります。Threadsのプロダクトマネジメント担当副社長であるエミリー・ダルトン・スミス氏は、記者団とのグループチャットセッションで、個人メッセージ(DM)と同様に、グループチャットも暗号化されないことを明らかにしました。
Metaは、ThreadsのDMを「現在話題になっている事柄(例えばフットボールの試合や視聴中のテレビ番組など)について人々が繋がるための手段」と位置付けており、安全なメッセージングサービスとは考えていないとのことです。これは、ユーザーのプライバシー保護において、エンドツーエンド暗号化を提供する他のメッセージングアプリとは一線を画す点であり、セキュリティニュースとして特に強調すべきポイントです。
競合であるX(旧Twitter)の「XChat」も、セキュリティ研究者からは「Signalほど信頼できない」と指摘されており、ソーシャルメディアプラットフォームにおけるメッセージングのセキュリティは依然として課題となっています。
ユーザーのプライバシー管理機能
Threadsは、ユーザーがグループチャットへの参加をある程度コントロールできる機能を提供しています。スミス氏によると、グループチャットにユーザーを追加するには、そのユーザーが追加する側をフォローしている必要があるとのことです。これは、フォローしていない相手からのメッセージが「メッセージリクエスト」フォルダに振り分けられる個人DMよりも、さらに制限が厳しくなっています。
また、個人DMには以下の制限があります:
- メッセージリクエストではリンクやメディアが無効化される。
- 送信できるリクエスト数に制限がある。
- フォローしていない相手からのメッセージリクエストをオフにできる。
- 潜在的なスパムは非表示フォルダにフィルタリングされる。
将来的には、グループチャットに名前を付けたり、リンクを共有して他のユーザーを招待したりする機能も追加される予定です。これにより、特定のコミュニティ内での交流がさらに活発になることが期待されます。
Threadsの戦略と今後の展望
今回の変更は、親会社であるInstagramがアプリの焦点をリールとDMに再設定している動きと連動しています。Instagramは、これらの機能がユーザーのエンゲージメントを最も高める要素であると判断しており、Threadsでもメッセージングをアプリの核となる部分として位置付けています。
スミス氏は、ThreadsのユーザーはInstagramとは異なる人々と繋がっていると指摘しています。Threadsのデイリーユーザーの3分の1以上が、Instagramでフォローしている人々の半分以下しかフォローしておらず、これは人々がThreadsで「Threadsファースト」の繋がりを築いていることを示唆していると述べています。
元記事: https://techcrunch.com/2025/10/15/threads-is-getting-group-chats-as-messaging-rolls-out-to-the-eu/