EFFと労働組合がトランプ政権を提訴
デジタル権利団体である電子フロンティア財団(EFF)は、複数の労働組合と共に、トランプ政権を相手取り訴訟を提起しました。この訴訟は、合法的に米国に居住する人々に対する大規模なソーシャルメディア監視が、彼らの言論の自由を不当に侵害していると主張しています。
監視の実態と対象
訴状によると、米国政府はAIなどの技術を駆使し、合法的なビザを持つ非市民や永住権保持者を含む、ほぼ全ての非米国市民のソーシャルメディア投稿を監視しているとされています。監視の対象となる投稿は、現政権が不快と見なす意見を表明するものであり、具体的には以下の内容が含まれると指摘されています。
- アメリカ文化や米国政府を批判する投稿
- 反ユダヤ主義的または親パレスチナ的な支持を表明する投稿(大学での抗議活動への支持を含む)
- チャーリー・カーク氏殺害を正当化または軽視する投稿
- トランプ政権やその行動を批判する投稿
EFFは、政府がこれらの投稿を理由に、ビザの取り消しや移民収容といった懲罰的な措置で非市民を脅していると主張しています。
政府の対応と訴訟の根拠
訴訟では、国務省のX(旧Twitter)アカウントに投稿された内容が証拠として挙げられています。特に、チャーリー・カーク氏に関するコメントを理由にビザが取り消された事例を記録した固定スレッドが指摘されています。国務省は、「米国は、アメリカ人の死を望む外国人をホストする義務はない」と述べ、ビザを取り消された外国人の例を挙げています。
しかし、EFFは、自動車労働組合、教職員組合、通信労働者組合を代表して、これらの懲罰的措置および「視点に基づく監視」自体が、組合員の言論の自由に対する不法な侵害であると主張しています。この訴訟は、2025年10月16日木曜日にニューヨーク南部地区連邦地方裁判所に提起されました。
セキュリティニュースとしての強調点
この訴訟は、政府によるデジタル監視の範囲と、それが個人のプライバシーおよび基本的な権利に与える影響について、重大な懸念を提起しています。AI技術の進展が、個人のオンライン活動を広範に分析し、特定の意見を持つ人々を標的とする可能性を示唆しており、言論の自由と国家安全保障のバランスが問われる重要な事例となるでしょう。