Windows 11アップデートがlocalhostのHTTP/2接続を破壊、開発者や企業に深刻な影響

はじめに

Microsoftが提供するWindows 11の最新アップデートが、localhost (127.0.0.1) へのHTTP/2接続に深刻な問題を引き起こしていることが判明しました。このバグにより、開発者ツールや企業向けアプリケーションなど、ローカルサービスに依存する多くのシステムが機能不全に陥り、広範囲に影響が及んでいます。

問題の詳細

2025年10月のKB5066835パッチチューズデーアップデート、および9月のKB5065789プレビューアップデートをインストールしたWindows 11ユーザーは、localhostへのHTTP/2接続が正常に完了しない事態に直面しています。具体的には、アプリケーションが「ERR_CONNECTION_RESET」や「ERR_HTTP2_PROTOCOL_ERROR」といったエラーを受け取ると報告されています。この問題は、Microsoftフォーラム、Stack Exchange、Redditなど、複数のオンラインコミュニティで広く報告されており、その深刻さが浮き彫りになっています。

影響を受けるアプリケーション

このバグは、ローカルホストへの接続を必要とする様々なアプリケーションに影響を及ぼしています。特に以下の主要なアプリケーションで問題が確認されています。

  • Visual Studioのデバッグ機能
  • SSMS Entra ID認証
  • Duo Desktopアプリ(Trusted Endpoints、Duo Desktop & Device Healthポリシー、Duo Desktop認証メソッド、Duo Passport、Bluetooth AutofillまたはProximity VerificationによるVerified Duo Pushなどを使用する場合)

Duo Securityは、この問題によりDuo PromptがDuo Desktopに到達できず、認証の失敗や機能制限が発生する可能性があると警告しています。

提案された解決策と現状

いくつかの回避策が提案されていますが、その効果は限定的です。

  • HTTP/2プロトコルを無効にするレジストリ設定の変更が提案されていますが、一部のユーザーからは効果がないとの報告があります。具体的には、以下のレジストリキーを設定します。
    [HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\IIS\Parameters]
    "EnableHttp2"=dword:00000000
    "EnableHttp2OverTls"=dword:00000000
  • 最新のMicrosoft Defenderインテリジェンスアップデートのインストールも試みられていますが、これも万能ではありません。

現時点で最も確実な解決策とされているのは、問題を引き起こしているアップデートのアンインストールです。以下のコマンドを実行し、Windowsを再起動することで、localhostのHTTP/2接続が回復すると報告されています。

  • wusa /uninstall /kb:5066835
  • wusa /uninstall /kb:5065789

今後の展望

BleepingComputerはMicrosoftにこのバグについて問い合わせており、今後の公式な対応が注目されます。開発者や企業は、Microsoftからの公式な修正パッチがリリースされるまで、Windows 11の最新アップデートの適用には慎重になる必要があるでしょう。


元記事: https://www.bleepingcomputer.com/news/microsoft/windows-11-updates-break-localhost-127001-http-2-connections/