概要と初期報告
2025年10月20日、AWSのUS-EAST-1リージョンで大規模な障害が発生し、Amazon.com、Prime Video、Fortnite、Perplexity AIなど、数百万のウェブサイトやサービスに影響を及ぼしました。
障害は午前4時24分(東部夏時間)頃に始まり、米国およびヨーロッパを含む全地域で消費者に影響を与えました。
AWSの対応と障害原因
AWS Healthページによると、Amazonはこの主要な混乱を認識しており、複数のサービスに影響が出ていることを確認しています。
AWSは「US-EAST-1リージョンにおける複数のAWSサービスで、エラー率とレイテンシの増加を確認しています。この問題は、AWSサポートセンターまたはサポートAPIを通じたケース作成にも影響を与える可能性があります。私たちは問題の軽減と根本原因の理解に積極的に取り組んでいます」と述べました。
具体的な原因は明らかにされていませんが、ステータス更新では、US-EAST-1 AWSリージョンにおけるDynamoDB APIエンドポイントのDNS解決問題に関連していると示唆されています。
影響を受けた主要サービス
Epic GamesのFortniteはX(旧Twitter)で主要なサービス中断を確認しました。Fortniteのゲームプレイ自体は影響を受けていませんが、ログイン機能がAWSによって提供されているため、ログインできない状況が発生しました。
Perplexity AIもチャットアプリがAWS障害によりオフラインになっていることを確認。グラフィックデザイン会社のCanvaも、画像編集などの機能に影響を与えるサービス障害を認めました。
Downdetectorによると、以下の15の主要サービスがAWSの問題によりオフラインになりました。
- Amazon Prime Video
- Fortnite
- Canvas
- Clash of Clans
- Clash of Royals
- Palworld
- Snapchat
- Perplexity
- Canva
- Roblox
- Hulu
- Robinhood
- Grammarly
復旧状況と新たな問題
2025年10月20日午前5時00分(東部夏時間)更新: 45分間の障害の後、一部のサービスが復旧し始めています。
2025年10月20日午前5時25分(東部夏時間)更新: AWSはサービスが完全に復旧したと発表しました。
2025年10月20日午後12時06分(東部夏時間)更新: AWSはDNS問題は軽減されたと述べていますが、今度はネットワークロードバランサーに問題が発生しており、クラウドプラットフォームを利用する企業に広範囲な障害を引き起こし続けていると報告しています。
AWSのステータスページには「ネットワークロードバランサーの健全性を監視する基盤となる内部サブシステムの復旧を支援するため、追加の軽減策を講じており、AWSサービスの接続性とAPIの復旧が見られます」と記載されています。また、「新しいEC2インスタンスの起動スロットリングを軽減するための次のステップも特定し、適用しています」とも付け加えています。
米国の学校で広く使用されているCanvasを含む多くのオンラインサービスは、ユーザーがプラットフォームにログインしようとすると、引き続き障害メッセージを表示しています。
クラウドサービスの可用性とセキュリティの教訓
今回のAWSの大規模障害は、現代のデジタルインフラがクラウドサービスに深く依存している現状を改めて浮き彫りにしました。
単一のクラウドプロバイダーに障害が発生した場合、その影響が広範囲に及ぶ可用性のリスクがあることを示しています。
企業は、このような障害発生時における事業継続計画(BCP)の重要性を再認識し、冗長性の確保やマルチクラウド戦略の検討など、サービスの可用性とセキュリティを維持するための対策を強化する必要があるでしょう。
