IKEA、夜間のスマホ利用抑制を促すNFC搭載ミニチュアベッドを発表

IKEAがデジタルデトックスを提案:NFC搭載ミニチュアベッドで質の高い睡眠を

家具大手IKEAは、夜間のスマートフォン利用を抑制し、より良い睡眠を促進するためのユニークなソリューションを発表しました。それは、NFC(近距離無線通信)技術を搭載したミニチュアサイズのベッド「Phone Sleep Collection」です。この革新的な取り組みは、デジタルウェルビーイングの向上を目指す現代社会において、注目すべき一歩と言えるでしょう。

「Phone Sleep Collection」の概要と目的

「Phone Sleep Collection」は、IKEAの実際のベッドを模した可愛らしいデザインが特徴です。しかし、その真の目的は、ユーザーが夜間にスマートフォンから離れることを奨励することにあります。スマートフォンの過度な使用は、睡眠の質の低下や集中力の散漫など、様々な悪影響を及ぼすことが指摘されており、IKEAはこの問題に対し、遊び心のあるアプローチで解決策を提示しています。

利用方法と特典:デジタルデトックスでIKEAバウチャーを獲得

このミニチュアベッドの利用方法は非常にシンプルです。ユーザーはIKEA UAEアプリをダウンロードし、スマートフォンをベッドに置くだけ。内蔵されたNFC技術がアプリと連携し、スマートフォンが使用されていない「スクロールフリー」の睡眠時間を自動的に追跡します。iOSユーザーは、モーション&フィットネス追跡を許可する必要があります。

  • IKEA UAEアプリをダウンロードします。
  • (iOSユーザーの場合)指示に従ってモーション&フィットネス追跡を許可します。
  • スマートフォンをミニチュアベッドに置き、通知をタップしてアプリを開きます。
  • これで、睡眠時間がバックグラウンドで追跡されます(カウンターは表示されません)。
  • 1週間連続で7時間のスクロールフリー睡眠を達成すると、IKEAのバウチャーを獲得できます。

この特典は、ユーザーが健康的なデジタル習慣を身につけるための強力なインセンティブとなります。

現状と今後の展開

残念ながら、この「Phone Sleep Collection」は現在、アラブ首長国連邦(UAE)限定のプロモーションアイテムとして提供されています。IKEAの「Complete Sleep Collection」から商品を含む750UAEディルハム(約3万円)以上の買い物をした顧客に配布されるとのことです。しかし、このユニークなキャンペーンはすでに大きな注目を集めており、IKEAが今後、他の国々にもこのプロモーションを拡大する可能性は十分に考えられます。

デジタルウェルビーイングと個人情報保護への示唆

このIKEAの取り組みは、単なる販促キャンペーンに留まらず、現代におけるデジタルウェルビーイングの重要性を再認識させるものです。スマートフォンとの健全な距離を保つことは、精神的な健康だけでなく、個人情報の過度な露出を防ぐといった側面からも、一種のデジタルセキュリティと捉えることができます。アプリによる睡眠時間の追跡は、ユーザーの行動データ収集にも繋がりますが、その利用目的が明確であり、ユーザーの同意のもとで行われる限り、デジタルライフの質を高めるための有効なツールとなり得るでしょう。IKEAのこの試みが、世界中でより意識的なスマートフォン利用を促すきっかけとなることが期待されます。


元記事: https://www.macrumors.com/2025/10/23/ikea-mini-phone-bed/