トランプ大統領、ジャレッド・アイザックマン氏をNASA長官に再指名

再指名されたNASA長官候補ジャレッド・アイザックマン氏

ドナルド・トランプ大統領は、以前の指名撤回から5ヶ月を経て、再びテクノロジー界の億万長者であるジャレッド・アイザックマン氏を次期NASA長官に指名しました。アイザックマン氏は、イーロン・マスク氏の協力者であり、スペースXのロケットで2度民間人として宇宙飛行を経験した商業宇宙飛行士です。

過去の指名撤回と背景

アイザックマン氏の最初の指名は、昨年行われましたが、今年5月に撤回されていました。この撤回は、彼が過去に民主党に政治献金を行っていたことが原因と報じられています。マスク氏がホワイトハウスから離れた翌日の出来事でした。

ブルームバーグの報道によると、アイザックマン氏は最近数週間でトランプ氏を支持する団体に100万ドル以上を寄付しており、NASAのリーダーシップ計画について大統領と数回直接会談しているとのことです。

トランプ大統領とアイザックマン氏のコメント

トランプ大統領は、自身のソーシャルメディア「Truth Social」で、「私は、有能なビジネスリーダー、慈善家、パイロット、そして宇宙飛行士であるジャレッド・アイザックマン氏をNASA長官に指名できることを嬉しく思います」と発表しました。大統領は、アイザックマン氏の宇宙への情熱、宇宙飛行士としての経験、そして探査の限界を押し広げ、宇宙の謎を解き明かし、新たな宇宙経済を推進することへの献身が、「NASAを大胆な新時代へと導くのに理想的である」と称賛しました。

アイザックマン氏も自身のX(旧Twitter)投稿でトランプ大統領に感謝の意を表明し、「あなたのリーダーシップの下で国に奉仕できることは光栄です」と述べました。彼はまた、「宇宙を愛するコミュニティからの支持は圧倒的でした。これほど多くの人々の信頼をどのように得たのか分かりませんが、その期待に応えるために全力を尽くします」と付け加えました。

宇宙機関の将来と安全保障への影響

もしアイザックマン氏の今回の指名が承認されれば、彼は大幅に縮小されたNASAを指揮することになります。同機関は7月以降、数千人の従業員を失っており、大規模な予算削減に直面しています。この予算削減は、計画されている2つの火星探査ミッションを中止させる可能性があり、宇宙開発における米国の地位と、それに伴う国家安全保障上の懸念を引き起こしています。

NASAの機能低下は、宇宙空間における監視能力、通信インフラの保護、そして将来的な防衛技術開発に間接的な影響を及ぼす可能性があります。特に、火星ミッションのような深宇宙探査の中止は、科学的進歩だけでなく、国際的な宇宙競争における優位性にも影響を与えかねません。このような状況下でのリーダーシップは、宇宙安全保障の観点から極めて重要となります。


元記事: https://www.theverge.com/news/814035/donald-trump-jared-isaacman-nasa-nomination