はじめに
LG G5 OLED TVは、その卓越した性能でOLEDテレビの新たな基準を打ち立てました。特に新開発の「Primary RGB Tandem OLED」技術により、これまでのOLEDの限界を大きく超える輝度と色彩を実現しています。本記事では、この革新的なテレビがどのようにして視聴体験を向上させるのか、その詳細に迫ります。
新技術と圧倒的な映像性能
LG G5の心臓部には、画期的なPrimary RGB Tandem OLEDパネル技術が採用されています。これは、従来の3層構造(黄と2つの青)ではなく、4つの発光層(赤、緑、2つの青)を持つことで、消費電力を抑えつつ大幅な輝度向上を可能にしました。また、専用の赤と緑の層が色の純度を高めています。
テストでは、65インチモデルが10%ウィンドウで2,400ニトを超える輝度を記録。これは前モデルG4を約1,000ニト上回る数値であり、数年前のハイエンドミニLEDテレビに匹敵します。この驚異的な輝度とOLED特有の完璧な黒が組み合わさることで、信じられないほどのコントラスト比が実現され、映像に深みとリアリティをもたらします。
初期に報告されたHDRコンテンツにおける暗部表現の課題も、ファームウェアアップデートによって解消されており、シャドウ部のポスタリゼーションやフローティングブラックは確認されませんでした。
ゲーミングと接続性
LG G5はゲーマーにとっても理想的な選択肢です。
- 4つのHDMI 2.1ポートを搭載し、4K/120Hz(PCでは最大165Hz)の可変リフレッシュレート(VRR)に対応。
- 自動低遅延モード(ALLM)により、ゲーム信号を検出すると自動的に低遅延ゲームモードに切り替わります。
- 入力遅延はほとんど感じられず、スムーズなゲームプレイが可能です。
最適なゲーム体験のためには、「Game Optimizer」を有効にし、より正確な色再現のために色温度を「Warm 40」に設定することが推奨されます。
ユーザーエクスペリエンスと改善点
LG G5の画質は圧倒的ですが、いくつかの改善点も指摘されています。
- webOSインターフェースは機能的であるものの、広告やスポンサーコンテンツが多く、ホーム画面が煩雑に感じられることがあります。
- Magic Remoteの「マジックワンド」機能は、意図しないカーソル表示でユーザーを苛立たせることがあり、オフにするオプションが望まれます。また、リモコンにはバックライトがなく、入力切り替えボタンも直感的ではありません。
- サウンド性能は、テレビ単体としては十分な音量と明瞭な会話を提供しますが、迫力に欠け、没入感を高めるにはサウンドバーやサラウンドシステムの使用が推奨されます。
- DTSオーディオコーデックのサポートが廃止された点も、物理メディアを多用するユーザーにとっては留意すべき点です。
結論
LG G5 OLED TVは、Primary RGB Tandem技術の導入により、OLEDの能力を新たな高みへと押し上げました。その輝くスペキュラーハイライト、深い黒、優れたシャドウディテール、そして美しい色彩精度は、まさに息をのむような映像体験を提供します。webOSの広告やリモコンの使い勝手、サウンド性能といった minor な欠点はありますが、それらはG5が提供する圧倒的な画質の前では些細なものに過ぎません。LG G5は、最高の視聴体験を求めるユーザーにとって、間違いなく検討に値する一台です。
元記事: https://www.theverge.com/tech/817807/lg-g5-oled-tv-review
