Apple Pay、欧州で「後払い」サービスを拡大:金融リスクへの注意喚起も

Apple Pay、欧州で後払いサービスを拡充

Apple Payは、欧州のデンマーク、スペイン、スウェーデンの3カ国において、BNPL(Buy Now, Pay Later:後払い)プロバイダーであるKlarnaとの連携を拡大しました。数週間以内にはフランスでも同サービスが開始される予定です。これにより、Apple Pay利用者は購入代金を月々の分割払いで支払うことが可能となります。

このサービスはすでに米国、カナダ、英国で提供されており、今回の欧州拡大は、デジタル決済における後払いオプションの普及が進んでいることを示しています。

Klarnaとの提携深化とAppleの戦略転換

Appleは昨年、自社で提供していた後払いサービス「Apple Pay Later」を終了し、Klarna、Affirm、Synchronyといった第三者プロバイダーとの提携戦略へと転換しました。これは、後払い市場の複雑性と各国の規制対応の必要性を鑑み、専門プロバイダーとの連携を強化する方針へと舵を切ったものと見られます。これらの提携サービスは、国によって利用可能なプロバイダーが異なります。

サービス利用方法と店頭決済への対応

iPhoneおよびiPadユーザーは、オンラインやアプリ内でApple Payを利用して決済する際に、「その他のカードと後払いオプション(Other Cards & Pay Later Options)」を選択することで、Klarnaなどの後払いプランにアクセスできます。さらに、iOS 26以降では、実店舗でのApple Pay決済においても後払いオプションが利用可能になる予定であり、利便性が一層向上します。

後払いサービスがもたらす金融リスク

後払いサービスの拡大は消費者にとって魅力的な選択肢となる一方で、潜在的な金融リスクも指摘されています。一部のユーザーからは、Klarnaのようなサービスが「安易な借金の入り口となり、消費者を深刻な負債へと導く可能性がある」との懸念が上がっています。

後払いプロバイダーは、利用者が分割払いを完済できない場合に高い金利を課すことで収益を得るビジネスモデルを展開している場合があります。これにより、計画的な利用ができない消費者が多額の債務を抱えるリスクがあり、個人の金融健全性に対する脅威となり得ます。セキュリティニュースの観点からは、個人が自身の経済状況を正確に把握し、無計画な利用を避けるための金融リテラシーの重要性が改めて浮き彫りになっています。

消費者への影響と今後の展望

Apple Payにおける後払いオプションの拡充は、消費者の購買体験を向上させる一方で、責任ある利用が強く求められます。利用者は、サービス利用規約、金利、返済計画を十分に理解し、自身の支払い能力を超えない範囲で利用することが自己の金融セキュリティを守る上で不可欠です。今後、このような後払いサービスの規制強化や、消費者保護の枠組みの整備がさらに進むかどうかが注目されます。


元記事: https://www.macrumors.com/2025/11/18/apple-pay-klarna-three-more-countries/