OpenAI理事ラリー・サマーズ氏、エプスタイン関連文書公開を受け辞任

OpenAI理事ラリー・サマーズ氏、エプスタイン関連文書公開を受け辞任

元財務長官であり、元ハーバード大学学長でもあるラリー・サマーズ氏が、OpenAIの理事会を辞任しました。この辞任は、サマーズ氏と有罪判決を受けた性犯罪者ジェフリー・エプスタインとの間の電子メールが議会によって公開された数日後に行われました。公開された文書には、両者間の親密なやり取りの詳細が含まれています。

サマーズ氏は現在ハーバード大学の教授も務めており、同大学の学生新聞「The Harvard Crimson」の報道によると、ハーバード大学もサマーズ氏のエプスタインとの関係について独自の調査を開始する予定です。また、サマーズ氏は公的な活動から一時的に身を引くとのことです。

詳細:エプスタインとの不適切なメール内容

今回の辞任は、下院と上院がエプスタイン関連文書の公開を決定した翌日に発生しました。過去数日間にわたり、下院委員会は2018年11月から2019年7月にかけて行われたエプスタインとサマーズ氏の間の数年分のメールを公開しました。

これらのメールの中には、サマーズ氏が自身がメンティーと表現する女性との関係の進展についてエプスタインに助言を求めていたものがありました。当時既婚者であったサマーズ氏は、2019年3月のメールで、「彼女は非常に混乱しているか、私との関係を断ち切りたいと思っているが、専門的な繋がりを非常に望んでおり、それに固執しているのかもしれない」と記し、メンティーに対する自身の権力的な立場を認識している様子がうかがえます。

エプスタインは、やり取りの初期段階で自身をサマーズ氏の「ウィングマン」と称しており、2019年6月には「彼女はあなたといる運命にある」というメッセージを送っています。さらに後のメッセージでは、サマーズ氏は、メンティーに「自分は非常に価値があり、興味深い存在である」と感じさせ、「ロマンスやセックスなしにはそれを手に入れることはできない」と考えることが、彼女と親密になる「最善の策」であると述べています。エプスタインは6月を通して、サマーズ氏に「ロングゲーム」を演じ、「女性を強制的な待機状態に保つ」よう促していました。

エプスタインは2019年7月に、未成年者の性的人身売買および未成年者の性的人身売買を企てた共謀罪で逮捕されました。

OpenAIのガバナンスと信頼性への影響

AI業界を牽引するOpenAIのボードメンバーが、このような倫理的懸念のある人物と関係を持っていたことは、同社のガバナンスと社会的信頼性に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、AI技術の発展が社会に与える影響が拡大する中で、企業のリーダーシップ層には高い倫理観と透明性が求められます。今回の辞任は、AI企業が直面する倫理的な課題と、公衆の監視の目が厳しくなっている現状を浮き彫りにしています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/11/19/openai-board-member-larry-summers-steps-down-amid-epstein-file-revelations/