Function Healthが巨額の資金を調達
バイオテクノロジーとヘルスケア分野の企業Function Healthは、シリーズBラウンドで2億9800万ドルの資金調達を完了し、その評価額は25億ドルに達しました。この資金調達はRedpoint Venturesが主導し、a16z、Aglaé Ventures、Alumni Ventures、NBA選手のAllen Crabbe、Blake Griffin、Taylor Griffin、Battery Ventures、NFDG、Roku創設者のAnthony Woodなどが参加しました。これにより、同社の総調達額は3億5000万ドルとなります。
この資金は、電子健康記録、血液検査、ウェアラブルデバイスからのデータといった膨大な健康情報を統合し、AIモデルと連携させて、ユーザーが健康改善に活用できるようにすることを目的としています。
AIで進化する個別化ヘルスケア
資金調達と同時に、Function Healthは「Medical Intelligence Lab」を発表しました。これは、ユーザーのデータ、コンテンツ、研究に基づいてパーソナライズされた健康洞察を提供する「医療インテリジェンス」生成AIモデルを構築する取り組みです。このモデルは医師によってトレーニングされており、ユーザーは自身の健康データに基づいた質問に答えるAIチャットボットを利用できます。このチャットボットは、過去の検査結果、医師のメモ、スキャンなどを参照し、テーラーメイドのガイダンスを提供します。
FunctionのCEO兼共同創設者であるJonathan Swerdlin氏は、「AIが存在する世界で、それを健康に適用しないのは良くありません。人間は自分の生物学を管理できるべきであり、Function Healthの目的は、利用可能な最高のテクノロジーを人間の健康に適用することです」と述べています。
ユーザーデータ保護へのコミットメント
Function Healthは、ユーザーデータのセキュリティとプライバシーに強くコミットしています。Swerdlin氏は、同社のプラットフォームがHIPAA標準に準拠しており、ユーザーデータが完全に暗号化されていることを強調しました。さらに、同社は個人情報を決して販売しないことを明言しています。
「あなたのデータとあなたのアイデンティティは決して売り物ではありません。あなたの情報のすべては完全に暗号化され、保護されています。私たちはあなたとあなたのデータを安全に保つことにコミットしています」とSwerdlin氏は述べ、ユーザーデータの安全性を最優先する姿勢を示しました。
競合優位性と事業拡大
同社は、Superpower、Neko Health、InsideTrackerといった競合他社との差別化として、デバイスに依存しないアプローチを挙げています。AIコーチやウェルネスアプリ以上の、検査、診断、臨床的洞察を統合したサービスを提供することで、包括的な健康管理を実現します。
Function Healthは現在、米国内に75カ所の拠点を持ち、年内には200カ所近くに拡大する計画です。2023年以降、すでに5000万回以上の検査を実施しており、その事業規模を急速に拡大しています。
